たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
オヤジ向け「ガンダム」
安彦さんの漫画の作風でもあるが、全体的に全共闘世代、団塊の世代特有の泥臭さ満載である。
曲がったことが嫌いで、権力と名がつくものには嫌でも齧り付く姿勢が、富野由悠季、宮崎駿と共通する概念でもある。
今回の「origin V」でもそこはきちんと描かれ、その中で翻弄される中間管理職に属するドズルやランバ・ラル、そしてシャアに焦点が当てられている。
その人間臭さが良さでもあるが、若い世代には少々臭みが強すぎるかも知れない。冒頭にアムロとカイがトラクターで連邦にケンカを売るシーンがあるが、そっちに趣を置いたほうが若い世代にも共感できるものになったのではないだろうか。。
あと作画に関してだが、モビルスーツや宇宙艦隊の3DCGモデリングは非常に良いのだが、爆発や炎上のエフェクトが宇宙戦艦ヤマト並みに短調で、空気がないところで煙がたったり爆煙が起きたりするのはおかしい。
そのところはガンダムUCでは上手く表現していた(熱でモビルスーツが溶けて蒸発するような描写)のに対し、オリジンでは非常に不満が残った。あと岡田斗司夫氏も言っていたが、いつから月面都市フォンブラウンの周囲には空気ができたのであろうか。。爆煙がモクモクとたっていた。。。
ツッコミどころは多いが、まあまあ観れるものには仕上がってはいるし、ガンダムUCのような新しい設定でゴチャゴチャにもなっていないので、スムーズには観れるだろう。しかしそれはあくまで「ガンダムファン映画」の枠からは出ていない。