チャーリー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
中途半端な心地よさ
綺麗な終わりはありません。
明確な答えもありません。
起承転結だってありません。
でも、それでいい。それがいい。
理系よりも文系の作品です。
映画を見終わった後、ほかの観客の方々が「何これ?」「どういうこと?」「不完全燃焼」という声が多く聞こえてきました。
そんな中、私は不思議と満足感と心地よさに包まれていました。
おそらくその理由は、「この映画のどこに焦点を置いていたか」でしょう。
みなさんがよく見るアニメや映画は、声優・キャラデザ・作画・美術背景などなどありますが、やはりどんな作品でも重要になるのは「ストーリー」でしょう。「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、どんな作品でもきっちりと終わらせてこそ、作品が完成する。それで満足。そういった目線で観てると、この映画のラストで「あれ?」となると思います。
そんな中、私がこんなに好評価な理由は、「メインキャラクターへの感情移入」と、「常識に囚われない」事ができたからだと思います。
風呂敷を横に広げずに、なずなの「子供だけど大人びた心」と典道の「未熟ではっきりとしない感情」に焦点を置き、重要かもしれないが、二人の”今この時”に重要でないことに説明は要らない。そんな思いが私には伝わってきました。
私は原作やドラマのことは一切知りませんので、よりこの作品を楽しめたのかもしれません。
この作品にとって大事な言葉は、 「もしも」 と 「心」 です。
評価の割れる作品ですが、だからこそ、自分の目で観て判断して欲しいです。
好きか嫌いかは誰かが決めるものではなく、あなたが決めるものです。是非、一度観てください。
私はBlu-rayが発売したら迷わず購入します。それくらい、好きになれました。
最後に、ヒロインのなずなの名前と同じ花があります。劇中にも何度かこの花が出てきています。
もしよかったら、映画を観る前にこの花のことを調べてみてください。映画を観た後でも構いません。
そして、その花となずなを重ねてみてください。きっと、彼女の「なにか」がわかりますよ。