◇fumi◆ さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

ずっと進もう　永遠など知らないけれど

2012年～2013年に放送されたテレビアニメ　全24話

原作　鴨志田一　監督　いしづかあつこ　構成　岡田摩里　キャラデザ　桜井昌宏
制作　J.C.STAFF

舞台は調べたんですが、東京都台東区周辺のどこかでしょうか？
日芸大とタイアップしてるようですが、練馬区江古田周辺かも？

水明芸術大学付属高校の問題児の収容所になっている「さくら荘」（高校の寮）に住む学生たちの青春劇。
　
ものすごーくどっかで見たような設定ですが、ラノベではこんな普通過ぎる設定は逆に新鮮かも。
監督は新鋭いしづかあつこさん。単独では初監督。これはすごいですねえ。
過去には「青い文学シリーズ」の２話、OVA SURERNATURALを宮繁之氏と二人で。

いしづかあつこさんと言えば「ノーゲームノーライフ」シリーズの監督ですが、
偶然なのか主人公が被ります。
神田空太→空　CV松岡禎丞 椎名ましろ→白　CV茅野愛衣
まあ監督さんのジョークも混ざってるのでしょうね。

気になるのは、ハイパー脚本家マリーさんですが、
原作の鴨志田さんや何人かの同業者と分け合っているので暴走はしません。
それでも全体を自分のカラーで染め上げる底力はこの作品の価値を上げたと思います。

ラブコメと言うよりは、日常ギャグアニメの前半と、
各キャラの恋愛と進路を多少シリアスに描いた後半に分かれますが、流れに違和感はありません。
４話に一回くらい原作の鴨志田さんが脚本を書いて脱線しないようにしているようですね。

芸術学校なので各キャラの才能と努力と年期が意味を持ってきます。

椎名ましろはほぼ人間を捨てた状態で成長し、すべてを絵にかけた人とされ、
ところどころで人並み外れた絵への執着と努力が描かれます。
ゲームクリエーター志望の神田空太は機会を失った状態で成長し、
努力もないまま着地点だけを探しているように見えました。
たぶん、空太が才能に関する勘違いを理解しない限りこの恋は成就しないと思います。

サブヒロインの青山七海は声優志望　才能（つまり集中力）は無さそう。
上井草美咲　一見アホ　実は学年トップの成績　アニメ制作に神がかりの集中力を見せる。
三鷹仁　落ち着いた大人っぽい性格。脚本家を目指すが認められていないよう。美咲の想い人。
赤坂龍之介　引きこもり天才プログラマー
メイドちゃん　龍之介の待ち受け画像　なんと声は両方とも堀江由衣
リタ・エインズワース　イギリス時代のましろのルームメイト　ましろを見て絵をあきらめる。
神田優子　空太の妹　中学生だがロリ体形。

それぞれの夢と恋を描いたライトな青春劇で、ギャグとシリアスのバランスが絶妙です。
作画は当時のJ.C.STAFFの充実といしづか監督の才能で、この分野としてはかなり上質だと思います。
ネタバレにはならないと思いますが、最終話の摩里さんの脚本はまさに核爆発級の凄さですよ。

サムゲタン騒動の原因は？
韓国で同時放送だったので一つだけ要求を受け入れたのでは、と考えます。

いろんな分野をまたいだ品質の良い見ごたえのある青春アニメだと思いました。