雀犬 さんの感想・評価
2.9
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 1.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
君の声を吹き替えたい
ええっと、もうレビュータイトルが出オチなんですが
巷の評判通り、声が大変なことになっています。
「え”」
「あ?」
「をっ」
「ぇっ」
「ぉっ…」
「はぁ?」
「っー↑かさぁ↓」
本作の主演、菅田将暉には『クソCVオブザイヤー』の称号を送りたい。
一方ヒロイン、広瀬すずの演じるなずなはというと、劇中のとても大切な台詞
「16歳に見える?」
この場面で俺は心の中で叫んだ。
「19歳に聞こえるよ!!」と。
「最初から16歳に見えたよ!!」と。
そもそもキャラデザインからして高校生に見えるのはどーいう事なんですか。
この場面で初めてなずなが中学1年生だということを思い出しました。
ストーリーの評判も総じて良くないけど、僕はこれで良いと思う。
海辺で拾った球体に不思議な力がある、その理由をイチイチ説明する必要はない。
これはなずなのソウルジェム…ではなくて
亡き父からの贈り物と詩的に解釈すれば良いのだろう。
そもそも原作からしてストーリーを楽しむものというよりは
少年の少女の夏の日の奇跡を美しく見せる、映像美の作品、つまりは雰囲気映画です。
といっても単なるジュブナイルではなく、
女の子は男の子よりも一足早く大人になる。
そんな青春の中でも「短い旬」を切り取って表現したものが、
この「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」という話であり、
オムニバスドラマの1話が単独で映画化されるほど評判になった理由に他ならない。
原作の何が良くて多くの人に愛されているのか、テーマ性を理解していれば
こんなミスキャストは起きないはず。
棒読み云々、演技のうまい下手ではなく、
なずなと典道はきちんと13歳の声でなければ作品として成立していない。
原作の二人は小学校6年生なんですよ!
19歳と24歳、そのままの声を吹き込んで良いわけがない。
これでは観客のノスタルジーを刺激することも、
在りし日の思い出に浸らせることも難しいんじゃなかろうか。
本作をアニメにするということは実写のなずな、すなわち
全盛期の奥菜恵にアニメキャラクターで勝負するということ。
どう聞いても成人の声と、最初から中学生には見えないキャラデザでは勝てない。
勝てないよ…
アニメにおける声の大切さを再認識させられる一本でした。
~おわり~