ダレイオス さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ストーリーがいいかになると、かなり迷いますが抜群の面白さはありました。
まず1話見て思うことはテンポが早いことですね。
1話見終わっただけでかなり進んだなと思えるほどストーリーが進んでいます。
しかも内容はわかりやすく大事な1話で取り残されることなく
物語に溶け込むことが出来ましたね。
舞台背景を冒頭のナレーションで説明し大体の対立構造がわかり
主人公のルルーシュもチェスの代打ちで頭のいいことがわかる描写など色々わかりやすいし
日本側の対立勢力イレブン(ブリタリアからみればテロリスト)
とブリタリアの交戦を1話から見せる事により
ガチで戦争をやっているなとわかりやすいのもいいです。
日本人はどこか隔離された僻地に住まわされイレブンと呼ばれ苦しい状況を強いられていて
酷い扱いを受けていたり、ブリアリアの兵士として働いたり
イレブンはテロでおそらくは無実な人だと思われる人を殺したり
ブリタリアの兵士は血も涙もなく一般人のイレブン、ブリタリア人を平気で殺し
ルルーシュにいたっては、人を殺すことを何とも思わない。
といった沢山の情報をナレーションだけでは舞台背景の説明しきれない部分を
映像で見せることにより鮮明に記憶に残りやすく頭に入っていきやすい。
設定も日本がイレブンと呼ばれていたりショッキングな状態から始まり
ブリタニア人が日本で大手を振るって生活をしていたり
日本人を平気で殺すと
アニメといえどもブリタニアに怒りが沸いてくるし
あまりこういう舞台設定のロボットアニメは見た事ないので
視聴意欲は沸きました。
視聴者は殆どが日本人と考えると、この設定は成功だったかなと思います。
そしてルルーシュは1度だけなら、どんな命令も実行出来るという
能力を手に入れた所から始まるのですが
便利な能力で最初は1度しか扱えないことを知らないから
躊躇なく使いまくるので、えっ?また使うのてくらいズルイのですが
そのおかげで序盤は読めない展開が生まれて面白い展開につながったと思います。
ただ勢いで突っ走るのでルルーシュがなぜナイトメアを操縦出来るとか
なぜかイレブンの武装組織を上手く仕切っているとか
気になる部分は多いとはいえ
ハッタリが効いていて不思議と受け入れることが出来ました。
一応は完璧超人で天才に見えるルルーシュだけど
抜けてる所があり、そのせいピンチになることもあるのだけど
その場面では必死に色々考えて行動をするので
天才とは言い切れない人間ぽさがあり、人を平気で殺す人間という
ダークな部分がある人間性を忘れてしまうくらいに
頑張っている姿は応援はしたくなりました。
一方のライバルキャラのスザクは言っていることは一見正論に見えるけど
内部からブリタニアを変えるという無茶なビジョンもそうだけど
最初は一等兵なため、ブリタニアの一等兵がどれほどの階級かは知りませんが
一般的には一等兵は下から二番目の階級ですよね。
そのため偉い立場にならないといけないためか順応なブリタニアの兵士に成り下がっていて
なんか胡散臭いです。
もし偉くなって最高位につけても所詮、ブリタニアの王の手下であるわけで
ブリタニアの王の都合の悪いことは通らないうだろうと考えられることから
結局はブリタニアの配下に付くしかないんじゃないのと考えてしまいました。
この対照的な立場の2人を出すことにより、どちらが視聴者に対して
まともな考えなのかを考えさせることに成功していて
ルルーシュはダーティーだと視聴者に認識は与えるものの
やっていることはこっちの方がまともかと?
多少なりとも視聴者に考えを賛同させることに成功していると思いました。
あとこの2人が学園では同じ生徒なので協力し合う所も良かったかな
裏では体制側のロボットのパイロットと反体制側のリーダーと顔知らないが
お互い憎き相手同士なのに普段は協力し合う仲は面白いと思えました。
そして、ストーリー展開はかなり早くて続きの気になる作りですね。
序盤から気になる引きで各話、終わることが多かったので
当時リアルタイムで見ていて続きが気になる感じはありました。
もちろん終わり方だけでなく各話の中身も驚きの展開が多く
常に次どうなるのかという楽しみはありましたね。
そして、どうなるかなと思ってみていた結果も
大胆不敵でけして緻密で知的な作戦ではないのですが
えっ?そんな手があったのかと思える展開はかなり面白かった。
それがルルーシュの1度だけなら、どんな命令でも従わせることが出来る。
能力から動くことが多いので設定は生かしたと思います。
ただし、設定を生かしすぎた分
やっぱりギアスの能力はズルイかなと思いました。
どんな強靭な肉体と知性を持つ人間でもチート能力で絶対服従だから
悪人だとしてもチョットむごい仕打ちでした。
ルルーシュは悪人の始末に容赦ないダークヒーローなのはわかるけど
それでもそりゃ無いかな
さらにルルーシュもそうだけど敵も人の命には容赦がないので
モブ市民、モブ兵士はゴミの様に消されるグロさはあんまり好きではありませんでした。
登場人物はブリタリア人、元日本人である名誉ブリタニア人、イレブンである日本人
とそれぞれの主張があり、それぞれが自分の考えが正しいという説得力は
ある程度は感じられたのでキャラは名前ありのキャラは殆どがキャラ立ちしていて
ルルーシュからみれば敵と言えるキャラは多いのに
このキャラはどんな敵かとアニメ見ている時に直ぐに思い出せるぐらい個性的だったです。
キャラの個性が出ていたのは評価出来ます。
2クール目はメインキャラであるスザクとルルーシュを
中心にキャラの掘り下げに入り、それがストーリーの中心になるので
キャラ同士の対立は面白かったと思います。
それぞれの立場が鮮明になるとストーリーは盛り上がったな
キャラの素性がわかってくるのも伏線を回収しながらなんで
面白くも感じました。
それらのバックボーンがありながらの
スザクとルルーシュの意地の張り合いも良かったですね。
ただ、2クール目に入ると、ある登場人物がルルーシュのことを「カオスの権化」と
語っていたのが予防線だったのか
1話1話は面白いっちゃ面白いんだけどストーリー自体はいいのかと
考えるとかなり迷うことばかり起こるんですよね。
ルルーシュはハッタリを言っていて上手く視聴者に説得力を持たせていたように
見えたけど都合がいいかなという展開は多かったかな
自分がルルーシュの敵だったら「そんな馬鹿な?」と思いますね。
まあ、そんな展開を楽しむアニメなんでしょうけど・・・
敵に包囲されてピンチになったぞ・・・→なんと偶然高性能機体が落ちてるぞラッキー
とか個人的には「えっ?」とは思いましたけどね。
終盤は驚きの展開で興奮して見れますけど、そりゃないな・・・
の展開でストーリーがいいのかとなると、相当悩みますね。
当時インターネットは自分はしていなかったので
アニメ自体を評価する概念が無く細かいことは気にせず
面白ければいいと考えていた単純な人間でしたが
それでもこの展開には驚きましたし、いいアニメなのかと考えると・・・
ただ細かいことを気にしなければ、色々クオリティーは高いので
エンターティナーと考えれば出来はかなりいいと思います。
まず音楽なんですけど毎回盛り上がらなければならない場面で
かなりいい曲が流れていて盛り上がる展開になっていたと思います。
言葉での説明は難しいのですが、ただ流せばいいだけでなく
タイミング的にドンピシャな感じで流れたのも良くて
単なる雰囲気アニメってわけではないのは良かった。
さらに作画かな2006年~2007年のアニメにしては
このレビュー書いてる時の2017年ごろのアニメと比べても
ロボットの作画はよく動くし戦闘はかなり迫力はあったと思います。
確かに見て楽しむだけの出来はありました。
細かい部分も動くし中々凄いぞと思える所も良かった。
声優さんもルルーシュ役の福山さんは声はかなり合っていたし
2面性のあるキャラなので演じわけが難しそうでしたが見事にこなしていました。
全体的にキャラは多いのですが声は合っていたし
みんな上手かったですね。
まろめると面白いアニメだとは思いますし、敵も味方もキャラ立ちは全員素晴らしくて
そのキャラ達によるドラマは見応えはありました。
ストーリーは整合性を考えなければ面白さは最高でしょう。
ただまじめに見ると気になる部分は多いし
ストーリーがいいアニメかと考えると、後半の展開はかなり迷うので
その辺が物語の評価を下げているのですが
色々とクオリティーは高いので
エンターティナーと考えれば出来はいいんでしょうね。