四文字屋 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ロードレースを描いた傑作、と言えば、まずこの作品を置いて他にない!
ロードバイクに乗る人。
弱虫ペダルみてる人。
特に見て欲しいな。
ロードバイクに乗る人なら、すぐに走りに出たくなる。
弱ペダ見てる人なら、ホントのレースってこうなのね、と腑に落ちる。
ロードレースの辛さと疾走感を味わうならこれこそお勧め。
そんな作品です。
舞台は、「グランツール」と言われる世界三大ステージレースのひとつ、
「ブエルタ・ア・エスパーニャ」。
主人公は、ベルギーのプロチームでアシストとして走っているスペイン人選手、ぺぺ・ベネンヘリ。脚質はルーラー。
レースは、アンダルシアの砂漠のような暑さの中、ぺぺが自分のチームのエースを引っ張って逃げ集団を形成するところから動き出す。
実はこのレース当日、ぺぺの兄と、兄が寝取ったぺぺの恋人だった女性との結婚式が重なっていて、しかもこの日のステージはぺぺの地元の街を目指すという奇縁が用意されている。
実の兄に恋人を奪われ、チームではスポンサーに嫌われて解雇の危機にあることを知る。そんな厳しい状態で、猛暑の中、レースを走るぺぺに、さらにレースの流れで、単独でのエスケープに踏み切らざるを得ないといけないことになる、という孤独な展開が心象と重なって辛い。
といってもウツな映画ではなくて、スピード感のなかで楽しい小ネタを散りばめつつ、最後は熱くて爽快な作品です。
レースと同時進行でエピソードも進むんで、もたつくところもなく、スピーディに鑑賞できるのも魅力的な作品。