とれいん さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 2.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
人は勝手に助かるだけ
ストーリー性に一部の批判があるみたいですが、私は非常に練られていると思います。
いわゆる怪異譚の一種ではあるのですが、この作品からは怪異とは心が生み出す何かであるというようなスタンスを感じざるを得ません。
長年怪異とか幽霊とかそういうものは外的なものだろうなと考えてきた私にとってはハッとするような観点でした。いわゆる戦場ヶ原の抱えた怪異が一番わかりやすいのですが、彼女の背景が怪異を生み出していた。ということになりますし、のちの八九寺、神原、羽川も決して平凡ではない、むしろ特殊な家庭事情からなる心の顕れが怪異となって彼女たちに降りかかているのだなと解釈したら面白くなるんじゃないでしょうか。
個人的には阿良々木君がうらやましいです。彼はこの物語ではそのような彼女たちの怪異=心の悩みに一筋の光明を照らす存在のようにして描かれていますが、いやはや心理カウンセラーのような立場とも見て取れるのかもしれません。
私はこの作品は、心理学の観点から見てみると面白いのかもしれないなと思っています。あいにく私には心理学的見識が無いので残念ですが。
兎も角も西尾維新氏のストーリー構成能力には驚嘆の意を述べる他言いようがありません。
ストーリー批判をしている人はストーリの上辺だけではなく是非内部にも足を踏み入れてほしいものです・・・。