蒼い✨️ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ロボットオタクが異世界で叶える夢。
【概要】
アニメーション制作:エイトビット
2017年7月 - 9月に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載していたweb小説が主婦の友社の目に止まり、
書籍化でヒーロー文庫から刊行されている天酒之瓢のライトノベルであり、
原作イラストは、黒銀が担当。
『ヤングガンガン』にて、漫画家・加藤拓弐によるコミカライズ版が連載されていた。
監督は、山本裕介。
【あらすじ】
倉田翼。28歳・独身。職業はプログラマー。
どんな無茶な案件でも楽しみに変えて不可能を可能にして解決してきた彼の仕事ぶりは、
同僚から頼られている。彼は天才プログラマーなのである。
彼には、ある趣味があった。プラモざんまい ロボざんまい!!
子供の頃からずっと、強くてかっこいいロボット達が大好きな気持ちを失わずにいて、
旧作ロボアニメのBD-BOXをBGMにロボットのプラモを作ってるときが彼の至福の時間。
そして、給料日。いつものようにプラモを買い込んでの帰宅途中。
夜の横断歩道を歩行中に居眠り運転で信号無視の車が横切ってきた。
もう、プラモを作れなくのか…という無念。
だが、そこでは終わっていなかった。
倉田翼としての生涯を不慮の事故で終えた彼の魂は、この世に存在しない遥か遠い世界へと辿り着く。
そして彼は、“騎士の国”フレメヴィーラ王国のとある貴族の子供に生まれ変わった。
ある日、その子供の一族が乗った馬車が巨大な昆虫魔獣に襲われ、
それを10メートルあろうかという巨大な騎士を模した人型兵器がかけつけて救けられたとき、
『これは…ロボット?』
幼子に前世の倉田翼の記憶と知識が目覚めた。
幼子は人型兵器の一機に乗っていた父に迎えられ、父と祖父に教えられる。
これは、魔法で動く騎士・幻晶騎士(シルエットナイト)であり、
幻晶騎士に乗るには騎操士(ナイトランナー)にならなくてはならない。
騎操士になるには、ライヒアラ騎操士学園に入学して、
魔法と剣の腕を磨きつつ、騎士として色々なことを学ばなければいけない。
幼子の名前は、エルネスティ・エチェバルリア。通称はエル。
この日を境に彼の人生の目標が定まってしまった。
本物のロボットに乗る!前世で思っても叶わなかった夢がこの世界では叶う!
早速騎士になるために自発的に修練を始めるエル。
それは、この世界における歴史の大いなる転換点であった。
【感想】
なろうは序盤のみ。書籍はノータッチ。漫画は3巻まで既読。
例によって主人公無双系であるのには変わりないですが、
なろうで大量生産されている典型的なRPGちっくな安いハーレム話ではなくて、
主人公が自分専用のオーダーメイドマシンが欲しくて、
機体を改良・新造する技術者になってしまうのが珍しいところ。
作者の本業がシステムエンジニアであることもあり、
自分の夢を天才プログラマー設定の主人公に仮託したのかもしれません。
プログラミングの理論が魔法術式にそのまま応用できる=だから主人公は破格の能力を持っている。
無理矢理っぽいですが、主人公は天才だから!で全部片がつくのかもしれませんね。
主人公は好きなものに没頭して目をキラキラさせて、次々と革新を成し遂げていく。
なんでもかんでも上手く行き過ぎな気もしないでもないですが、
成功するまでの失敗の課程もある程度アニメでも描写されています。
上手く行き過ぎの御都合主義という意見も出てくるのは、
話の展開が早すぎるがために成功のほうが大きく印象づけられてしまうのが原因でしょうね。
年表スキップだらけで歳月の流れが早いですし。
知識と理論だけで技術開発が必ず成功するわけでもなし、
主人公の常識はずれなオーダーを形にしたり、
敵の技術をあっさりコピーしたりしていくドワーフ鍛冶師たちも負けずにチートじゃない?思ったり。
話はかなりダイジェストなのですが某世界大戦魔法戦争アニメみたいに、
原作や漫画とキャラ付けを変えすぎて『アンタ誰?』状態にもならず、
名ありキャラは明らかな噛ませ犬を除いては概ね、有能揃いなのは好印象。
主人公の親友の双子の兄妹にせよ仲間になる若き騎士たちにせよ、鍛冶師たちにせよ、
王国の他の騎士団にせよ、登場人物の多くが誇りや実力を持ち合わせていて、
キャラを貶めること無く見せ場が在るのが良いですよね。
特に7話で、対抗意識を持ってたラボのおじいちゃんと主人公が意気投合するシーンが印象に残ってたり。
その後に、おじいちゃんの出番が無いのが残念ですが。
敵にせよ、主人公の噛ませ犬として散っていった登場人物もいますが、
敵にも主人公に劣らぬ天才開発者がいたりして、そこのあたりは見ごたえがあったかな。
主人公が美少女のような容姿の男の子でモテモテだけど恋愛感情がなくて、
身長が伸びない以外はなんでもできちゃうってのにイラッとしちゃう人もいるかもしれません。
でも、そういうキャラも需要がありまして、そこは好き嫌いの問題かな。
展開が早すぎて、もっとじっくり観たかった。食い足りないというのが正直なところですが、
日本のロボットアニメの生き字引と言える宮武一貴、マクロスシリーズでお馴染みの天神英貴、
などロボットアニメの実績があるスタッフが多くて、ロボットアニメとして楽しめたのでそこは良かったですね。
ん…でも他の人の意見にもありますが、1クールで決着つけるためダイジェスト過ぎたのはマイナス。
2クールの枠をとるのが難しいという昨今の事情があるのでしょうが、
今の業界はもうちょっと原作を大事に扱って欲しいと思えるのが正直なところでした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。