ヒロウミ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
人と人が重なり繋り生まれる嘘と奇跡は色鮮やかな軌跡。
モノトーンから始まる人の道は歩む度に色彩を放つ。その道で何があろうとも何が起きようとも人は歩みを止めない。歩いていなくともそれは時と共に進んで新たな景色となってゆく。
信者乙なハマり方をしている私にはOP聞くだけで目頭が熱くなる。レビューしてないが実は5周目。何度見ても同じところで涙しその後の1週間はスマホにDLしたeuphoric fieldとebullient futureを聞くたびに泣きかけてしまう。レビュー再稿のために視聴したのだがしばらくは通勤途中にはラジコを使おう。
1期の伏線を丁寧に回収しつつも新たな物語が作品の隠れた本質と趣が現れる。丁寧にシャフト独特の演出で動かない絵が人の正義や偽善、愛、憎悪、嫌悪、悦、恐怖、快感を成す。色々な感情に語りかけるこのストーリーと演出の親和性はずば抜けている。1期同様に劇中音楽のハマり具合も素晴らしい。キャラクターは古いからか大した描写には感じないのだけどね。
シャフトの視聴者を試すようなこの演出は尖ってますね。まさにどや?この意味気付くか?無意味に気付くか?と言わんばかりの主張の強さ。私は好物です。
ただし手放しでべた褒めできるほどの作品ではないんですよね。keyっぽいチープなキャラクターデザイン、下手な表情描写、時々意図としてないであろう死んだ魚のような眼になるキャラクター。技術不足の一部女性声優陣。EDも相変わらず歌い手が悪いんで猫に小判なんですよね。
エロゲーらしい男の欲望丸出しな物語。クゼとミズキのデキる件が重要なのに面白い、魅力的、素敵、健気などポジティブな感想が1mmも出てこない。全く響かないんですよね。
鬱アニメで名高いようですが悲劇で劇的な物語なん平穏に戻ったときに激しい高低さのロスト感があるだけだと思うんだけど。
なのに私にはとても特別な作品の1つ。ユウとユウコの想いに終始引っ張られる。お互いを補いお互いを拠り所としお互いまた歩き出す。こんな素敵な存在で居れることに毎回涙してしまう、激しく羨む。
最後の完成したebullient future。ユウが自らを傷付けしがらみから己の意志で進むことを選び手を引き抜く姿は私の最も昂る瞬間です。
満足度評価は信者乙補正バリバリです!
【以下過去レビュー】
{netabare}
人が満たされるには何が必要なのか迷いながら行き先を見つける物語。
memoriesのその後のストーリーですが描写や構成が別物ですね。1期はOPとED双方、この作品はOPの音とアニメーションはバッチリハマってて普段スキップする私もついついフルで見ちゃいました。演出はシャフトの色が若干弱まった気がしました。それでもefシリーズとして考えたら一部を除き素晴らしい作品だと思いました。
ストーリーは1期に比較しヘビーです。嫌悪感を抱く人も多いかもしれませんね。私にとっても胃もたれしそうなぐらいかなりキツかったですね。それでも物語に魅了される、次が知りたくなる、そんな素晴らしいストーリーでした。
ただ、このシリーズはやっぱりキャラクターのデザインが残念なんです。あとミズキのわざと下手に歌ってるED。これでミズキとクゼに感情移入できず物語の3分の1は捨ててしまいました。
そんなネガティブな状況すらひっくり返してしまうストーリーの破壊力は凄まじかったです。最終話の残り15分は涙が止まりませんでした。ebullient futureで全て色付き夕が手を引き抜くシーンはクラナドとは違う種類の同じ大きさの感情に溢れました。私にはmemoriesは紘の物語、melodiesは夕の物語と感じました。{/netabare}