takigawa さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
地方の現状を正直に描写している点に好感→PA最高作
アニメオリジナルだそう
P.A.WORKSのお仕事シリーズ(花咲くいろは、SHIROBAKO)の第三弾だそうで
19話まで視聴
P.A.WORKS作品はまとめて視聴するスタイルが自分には合っているので
完結してから視聴しようと思ってましたが
たまたま1話を見てしまったらとまらなくなってしました
私にとっての評価は現時点では前2作よりはるかに上です
その要因は、変な要素(花咲くいろはでの「ぼんぼる」とか
SHIROBAKOでの明らかに不用なカーチェイス(しかも物語の最初と最後)とか)が付加されていない点もありますが、
地方から見た中央の視点を正直に描写するという基本姿勢にあります
それは{netabare}「地方を変えるのは若者、バカ者、よそ者」という高見沢(バス運転手) {/netabare}のセリフに凝縮されています
地方のコミュニティにとって、縁もゆかりも無い新参者は
*誰であっても*よそ者に過ぎないという
「現実世界の」前提をキチンと提示しているから、
(他の地方出身とは言え)東京から来た主人公の立ち位置がシックリくるし、
嘘くささ(いかにもな作り物感)を発生させないという効果を生んでいる。
この辺りは制作会社が地方で頑張っている点が大きいのだろう。
扱っているネタも{netabare}(竹下内閣でのふるさと創生、イベントによる安易な集客、、伝統工芸の衰退、婚活,B級グルメ、少子化による廃校後の再利用、交通弱者問題、等) {/netabare}ありがちだが現在の地方にとって切実なネタで、
次のネタへの展開も不自然ではない程度にまとまっており、好印象。
何よりも評価したいのは、これらが主要キャラの成長(変化)としっかりリンクさせる形で展開されている点。
物語の基本としては至極当たり前のことだが、酷い作品が多い最近では、これがきちんとなされているだけでも作り手の誠実さを感じさせる。
地方在住者にとっては
「今の地方にとって結局は雇用先(仕事)の欠如が問題なのに、この作品はその点スルーだからお花畑」という評価もあろうが、
観光大使に雇用問題の解決など無理なわけで、明らかに作品の意図を読み違えてるとしか言いようがない
音楽も良い。が、opは前期の躍動感を感じさせるもののほうが良かったなぁ
勿論視聴継続
視聴完了
これまで自分が見たPA作品のなかで最高でした
評価すべき点はいろいろあります(主要キャラが良く練られていること
や音楽など)が、そのあたりは他の方も書くでしょうから、
主要でないが主題(テーマ)を見るうえで重要だなと思ったキャラについて
それは美濃(観光協会のメガネの職員。奥さん居て後輩はまだガラケー使ってるのに自分はスマホ使ってるキャラですよw)
二つの発言がとても重要
3話 {netabare} ヌルキャラ選手権での主人公(由乃)の発言(「間野山の人達にとって大事なものってなんだろう。自分にはまだわかりません」)に対する「わかんないのかよ」 {/netabare}
{netabare} 観光協会で働いてそれなりに年数が経っているにも関わらす(逆に、経ってしまっているから、とも言えるが)、「『東京から来て間もない新卒20歳の人にそんな核心が分かるはずがない』ことが分かってない」という点を明示している。
この時点の主人公(由乃)が答えを出せることを期待すること自体がおかしいことに気づいていないのです。
地方の人間の他力本願な点を鋭く描写しています。
この場面では若い方の職員(山田)も隣にいるので山田が発言しても、
単なる(メタな)つっこみとしては成立します。
敢えて美濃に言わせてる点に意味があります。
後輩より早くスマホ使う情報感度は持ってるキャラに。 {/netabare}
16話 {netabare}「無茶だよ祭りの復活なんて。間野山住人全員の協力が必要になる」 {/netabare}
主人公(由乃)たちの「クエスト」は、二つ。
一つは{netabare} 手あかのついた単語ですが、それぞれの「自分探し」。{/netabare}
もう一つは{netabare} 間野山住人の意識を変えること。(祭具探しはあくまで見かけ上のこと。ネット上ではドラクエに引っ張られすぎな感想が多かったですね)
「祭りが成立すること=間野山住人の意識を変えること」を明示している点で
とても重要な発言です{/netabare}
作品としては、「花咲くいろは」がきっかけとなった現実の「湯涌ぼんぼり祭り」に強く影響を受けているんでしょう。
(ネットでの反応を見る限り、「湯涌ぼんぼり祭り」はここまではとても良い方向のようですので)
祭りと銘打っていても「単なるイベント」になっているモノとの違い
を考えたことのある人には届く作品だと思います。
とても地味ですが良作です。