たっぷりおから さんの感想・評価
1.3
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 2.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
これマジで放送してたんですか?
地球侵略を企む宇宙人ジュラル星人と地球を守る変身ヒーローチャージマン研のお話。
まずこのアニメ、前提から間違っている。ヒーローものといえばスーパ戦隊然り仮面ライダー然り、正義の味方や強大な敵、友情・愛情を絡めた人間ドラマ、取り巻く世界観、時にはハッとするような設定を絡め長い時間をかけて消化していくもの。しかしこのアニメは一話わずか5分強、しかも一話完結式である。日常ものならともかく、それらの要素をこの短い時間で詰め込むことがはたして出来るのだろうか?
見終わった感想を言うと、ヒーローものとしては完全に破綻していた。この手の敵は人質をとったりよからぬ悪だくみをするのがお約束だが、主人公の研は敵を斃すだけでまるでそれらを解決しようとしないのだ。
脚本を手直しする時間がなかったのだろう。そしてそのつもりも無かった筈。シナリオは視聴者を置いてどんどん進み、茶番を交え、尺が足りなくても変身シーンをカットすることもない。終盤気づいた時にはもう遅く、問題はなかったことにされ疑問だけが残った。
{netabare} 尺の使い方が酷い。というか、尺の使い方次第で問題を解決するかが決まると言っていい。例えば第25話の登場人物雄一は序盤で助けを求め、研も助けている。しかし第35話は問題発覚・変身し終えた時点で残り100秒を切っていた。尺が足りず解決する時間のなかった研は、同話の登場人物ボルガ博士を助けるどころか自らの手で葬り去ってしまう。
また第63話にタイガーMというプロボクサーが出てくるが、13人を殺し20人以上を再起不能にしてるにもかかわらず平然と表社会で暮らしている。正体こそ敵のジュラル星人だったものの、研やパパら登場人物の人格に問題が多いのもわかる世界観である。{/netabare}
このアニメには多くのツッコミ所が存在している。問題の未解決にはじまり、キャラの言動、作画に毛、仕事しない音響、無抵抗の敵、突然入る変身シーンなどなど。これらの要素が嘲笑にも似た笑いを生みカルト的人気を得るまでに至る。実を言えば、このアニメが私にアニメ界に引き込むきっかけの一つとなった。それくらいの負の魅力がこの作品にはある。