インド人を右に さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
流石の京アニクオリティ
昔に原作の『氷菓』と『クドリャフカの順番』は読んでいたので、ストーリーはなんとなく読めるものの、作画の綺麗さと丁寧な物語運びで最後まで視聴。
ミステリーもので先の展開にワクワクさせつつも、事件は高校生の日常の中の出来事で、壮大な話にならないのが好印象でした。ただ、狭い世界で完結するのでアニメのストーリーとしては地味目なのは否めません。もし京都アニメーションの作画演出がなければ、原作の良さを生かすことなく埋もれていたかもしれませんね。19話の部室から一歩も出ずに終わる話とか、ミステリーとしては安楽椅子探偵というジャンルに当たるようですが、アニメとしてはなかなかチャレンジング。それを上手くまとめてくるのはさすが京アニといったところでしょうか。
物語の舞台の神山市は飛騨高山のあたりがモデルの模様。学校のシーンが多いですが、えるたその家の雰囲気など、リアリティを感じさせる背景描写は流石です。また、個人的に京アニ作品は、橋・川・線路・夕暮れといった、「境界」を演出によく使っているように思うのですが、本作も当てはまっていたと感じます。
背景のみならずキャラの作画もハイレベル。えるたそが人気ですが、私のお気に入りは伊原摩耶花。メイン4人の中で彼女が一番表情が豊かでステキでした。喜怒哀楽に加えて「物憂げな表情」を魅力的に描ける作画もそんなにいないでしょう。
原作の物語の雰囲気を壊すことなく、作画演出音楽が高い水準でまとまっていての高評価。納得です。