ようす さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
プロ棋士・桐山零。彼の将棋、彼と出会う人たちの将棋。彼の人生、彼と出会う人たちの人生。
『ハチミツとクローバー』で有名な
羽海野チカ先生原作の漫画を題材にしたアニメ。
アニメ化される前から原作が好きだったけれど、
このアニメを観たことでもっと好きになりました^^
作画、声優、音楽…
これらが丁寧かつ最高の働きをしているのですよ~。
2017年10月からは第2シリーズの放送も決定!
嬉しいな♪
全22話です。
● ストーリー
桐山零(きりやま れい)、17歳。職業プロ棋士。
幼い頃に家族を亡くした彼は、
引き取られた家で長年居場所を感じられず、一人暮らしを始めた。
一年遅れで通い始めた高校生活にも馴染めず、
将棋の成績も振るわず、
孤独で暗い生活を送っていた。
そんな彼は、
橋の向こうに住む明るい三姉妹と交流を持つようになっていた。
これまでの孤独な人生、
プロ棋士達が歩む険しい道のり、
三姉妹の明るさと優しさ・・・。
様々な人の生き方に触れながら、
零も自分の人生と向き合っていく。
零の人生は寂しくて、重い。
高校でもこれまでも、
友達もできず、孤独。
プロ棋士たちの戦いは激しくてアツいけれど、
負ける=報われないことと常に背中合わせの辛さ。
零の力になってくれようとする周りの人たちの優しさ。
将棋の道を突き進んだことで
零とつながった同志やライバルたち。
そんな、いろんな色が混ざり合ったドラマです。
いやあ、味わい深い。
毎回30分があっという間でした。
≪ 重み ≫
零の孤独感と虚無感は、
簡単にぬぐい去ることができない重みがある。
まるで暗い水の底に沈んでいくような…。
だけどこの重みは、
私達に人生について優しく語りかけてきます。
きっと誰もが、
似たような道に立ったことがあるから共感できるもの。
沈みそうな彼に声をかける三姉妹や林田(はやしだ)先生の言葉は、
私達の心にも深く深く沁みるものがあります。
普段強く意識することはしないけれど、
過去や重みと私達も向き合って戦っているのかなあ。
≪ ほんわかとした優しさ ≫
面倒見が良い長女・あかり。
喜怒哀楽が激しくて、元気いっぱいの中学生・ひなた。
天才!?ぷにぷにの幼児・モモ。
この川本家三姉妹が、
この作品の癒し。
この三人が登場すると、
ガラッと空気が変わって明るくなります。
暗い零ちゃんも、
川本家で食卓を囲むと沈んでいられない♪
騒がしくて、温かくて…
あ~私も川本家にお邪魔して一緒にご飯食べたい^^
● キャラクター
この作品の大きな魅力が、
キャラクター。
川本家三姉妹もそうですが、
それ以外にも味わい深いキャラがたくさんいるんだよな~。
私が今回特に印象深いのは、
島田八段と林田先生です。
◇ 島田開(しまだ かい)
この作品を観た人なら、
彼のかっこよさに共感してくれるでしょう(笑)
A級棋士、そしてタイトルへの挑戦。
激しい嵐の中でもがく姿を見て、零はたくさんのことを考えていましたね。
故郷のじいちゃんばあちゃんたちのことを想う優しい姿にも涙(´;ω;`)
またcv.三木眞一郎さんがいい味出し過ぎなのよ~!
渋くてかっこいい!
◇ 林田先生
零が1年生の時の担任で、
将棋好きなのもあり、孤立している彼を何かと気にかける先生。
普段はゆるくていい加減な空気もあるけれど、
いざという時には頼りになり、
揺れる零にびしっとアドバイスをする姿は
本当にかっこいい先生♪
{netabare}
「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。
でないと実は、誰もお前にも頼れないんだ。」
{/netabare}
この台詞が大好きです。
もちろん他にも、挙げられないほど魅力的なキャラがたくさん!
声優さん達もぴったりハマってるし、
演技がよりキャラの良さを引き立たせているし、
文句のつけようがありません♪
● 音楽
【 OP1「アンサー」/ BUMP OF CHICKEN 】
【 ED1「ファイター」/ BUMP OF CHICKEN 】
アニメ化する前から、
原作とつながりがあったBUMP OF CHICKENが主題歌を歌うなんて…。
それだけで私は感激です(´;ω;`)
BUMP OF CHICKENが「3月のライオン」が好きで、
羽海野先生もBUMP OF CHICKENが好きで、
どちらもBUMP OF CHICKENが「3月のライオン」のために書き下ろした曲。
ちなみに「アンサー」のPVはシャフトが手掛けていて、
完成度高すぎです。初めて見た時は鳥肌が立ちました。
「ファイター」のほうは
羽海野先生が描いた絵でPVが製作されています。
曲はどんな感じかって?
この作品の為に書き下ろされてるんだよ、
合わないわけがないじゃないですか。笑
私は「アンサー」の方が好きです^^
【 OP2「さよならバイスタンダー」/ YUKI 】
これもね、いいんだよね~。
アニメーションも気合入っていてかっこよくて、
曲の良さを引き立たせている!
OP1と比べると明るい曲調です。
● まとめ
原作に忠実かつアニメだけの色を加えて。
いいアニメ化でした。
重く暗い過去を抱えたプロ棋士・桐山零。
彼自身と、周りの人たちの温かさと、嵐のような途方もない将棋道。
苦しみや悩みはこれからもなくなることはないだろうけど、
彼の生きる道に光があり続けますように。
そして続きの内容こそ、
NHKが一番映像化したかったものだと思います。
ファンの一人として、
心待ちにしています♪