捨熊 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
観るほどに美しい構造の物語
難解な問に対してひとつのシンプルな定理で解を導くような、あるいは完成された美しいプログラムのような、一種の数学的な美しさを持つ物語。
厨二病、秋葉、ケータイ、メイド等、一見すると、視聴者の興味を惹く為の設定に思えるものも全て過不足なく物語を語る為に必要な要素で、全てが繋がった瞬間の気持ち良さと切なさは特出しています。
作中に散りばめられた厨二心を擽る単語や陰謀論。一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたち。牧瀬紅莉栖という最高のヒロイン。ガラケー時代の真夏の秋葉原という舞台設定。
それら全てが複雑に、しかし計算された唯一無二の形で絡み合い、物語を構成します。
アニメ→ゲーム→アニメと観て、この度レビューを書いていますが、ゲームを含めこれほどまでに打ちのめされた作品は他にありません。
しいて欠点を挙げれば、アニメは三人称で進む為、主人公オカリンへの感情移入がゲームに比べ薄くなってしまう点でしょうか。
個人的に知人には、上記理由によりゲームからプレイすることを勧めていますが、アニメも素晴らしいのでアニメから観ても十分に楽しめる筈です。
ガラケーや全盛期の2chを知らない現代の世代の人にとっては、始めは馴染みづらいかもしれませんが、絶対に後悔することはないので最終話まで観ることをおすすめします。