「月がきれい(TVアニメ動画)」

総合得点
94.0
感想・評価
1811
棚に入れた
7636
ランキング
8
★★★★☆ 4.0 (1811)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

めっちょん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

恋の駆け引き そして 「好き」と言える勇気

いつもいつも
どうしていいかわからなくて
だけどあの時
勇気を出して伝えてくれたから
ずっと一緒に歩いていけるって
信じられた

好きな人が
自分を好きになってくれるなんて
奇跡だと思った



まさに奇跡のような初恋物語

本来ならこれは二つの恋が実る話なんですよ
そうであっても決して不思議じゃない
だからこそ「奇跡」なんですね

その奇跡を起こしたのがあの月の場面だったんじゃないかと

茜ちゃんがあの神社に来たのは茜ちゃんの勇気
携帯の充電切れと引き寄せられるようにやって来た事も奇跡
ここまでは言わば並行世界の共通シナリオみたいなもの

この日は月がきれいな満月の夜
小太郎は月について考えそして月に吠えた

それは運命に抗い運命を決める特異点

そして月は味方した
「つき……あって。」
上手いなー

神社。月。風。
けして偶然ではない不思議な力を感じる
そんな強烈な印象に残った場面でした



比良くんと千夏ちゃんはいい奴だ
何故だか好きな人を想う気持ちは一緒

でも世の中は不条理だ
たくさんの人がいて
自分よりよっぽど立派で魅力的な人がいて
自分という存在はかき消されてしまう

でも誰よりも自分に誇りを持ってほしい

「好き」と言える勇気が
かならず人を幸せにしてくれるから




この作品のキーアイテムとして登場した芋のぬいぐるみ

茜ちゃんの芋のぬいぐるみは不安な気持ちの象徴
たぶん人一倍心配症で緊張しちゃうタイプなんでしょう

最初あのシーンは年代としてはかなり幼い奇行にも見えた
現実ならドン引きされていじめの対象にもなりかねない
でもここはみんな優しい世界だった
こんな世界にするのが現実社会の理想ですね

そこにするりと入り込んできたのが小太郎君

体育祭の時。修学旅行。遊園地。お祭り。そして進路。
いつも不安な時に引っ張ってくれたのが小太郎君だった

最終話にて芋のぬいぐるみを元の家の窓際に置いていた
これは茜ちゃんが芋のぬいぐるみを卒業するのか、というシーンかと思ったらフェイクでしたね
電車でしっかりカバンに付いてましたw

そして小太郎君が同じぬいぐるみで同じことをし出して
最後は2つのぬいぐるみが寄り添うように置かれたカット

これにはやられました

不安な気持ちを誰かと共有するのは悪い事じゃない
不安な気持ちは2人になって無くなるわけではなく
これからは2人で分かち合っていく
それが生涯付き合うってことだ

そんなメッセージが込められていた気がしました



あああと親友のろまん君はいい味出してましたね
見た目は派手な格好で自己主張強そうでストーリーに思いっ切り絡んでくるかと思ったら
終始軽いノリで絶妙なサポート役に徹して決して深入りせず親友の邪魔だけはしない
理想的な親友付き合いというのが描かれていた気がしました

反抗期と仲間意識が共存する独特のこの年代の描写が凄く良いですね
自我が確立してないがゆえに身を寄せ合い一緒に行動するのが凄く心強いんですよね
そうして一緒に失敗して痛みを分かち合って少年少女は成長していくんです
いつか自立して1人で生きていくために

キャラクターの雰囲気的に高校生くらいかなと最初思ってたら驚きの中学生ですよ
ちなみに自分の中学時代を鑑みるに小学生くらいの描写がしっくりくる。酷いもんだ……。
とりあえず僕の中学時代は自尊心が強すぎて好きだなんて言えない振り子細工の心でしたよっとw




作画
手書き水彩画風の独特のタッチ
全体的に白っぽく光を強調した白枠が気になる

この手の絵は無機質で淡く柔らかな印象の反面主張に乏しく表情に乏しい
それは声優も同じで感情が伝わりにくく淡々とした演出が多い
終始どこか幻想的な夢の世界のような印象でしたね
文学がテーマになっていて文学的な世界を表現するにはピッタリだったと思います

中学生の語彙力不足を補うノリ重視の会話劇にはリアリティーがあった
基本「マジで!?すげー!」みたいなwほんとに思ってるんかみたいなw



OPのギターレフいいですねー
アコースティックな旋律が青春ものにはピッタリです

お祭りのお囃子が小太郎君最大の見せ場で最大の盛り上がりの場面に使われると思ったんですが
一番カッコ悪い場面で使われましたね……

あれは何でしょうね。お稲荷様のいたずら、とでもいうんでしょうか……。

タイミングがこれまた奇跡のような展開だった
ジャンケンで決まっただけだし
茜ちゃん悪くないし
嫉妬はあかん
1人で置いてっちゃうし
女の子1人で泣かせちゃあかん
そこに君どうしたのー?と変な輩が付け込んでくるのが現実の世の中。危ない
正直あの場面はハラハラしましたね
でもそういうキャラは基本居ない世界だったみたいw

茜も楽しみにしてたのにね
「せっかくのお祭りなのに…」ホントそうだよ
現実はスマートにカッコよくいかないリアリティーみたいなものを感じました




挿入歌。良い選曲です

カラオケの定番村下孝蔵「初恋」
やっぱり名曲ですねー
てかこの歌が題材になってるのかな

放課後の校庭を走る君が居た
遠くで僕はいつでも君を探してた

Chara「やさしい気持ち」

ジッタリンジン「夏祭り」

Every Little Thing「fragile」

Kiroro「未来へ」

どれも名曲です

投稿 : 2017/08/11
閲覧 : 441
サンキュー:

21

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