ヒロウミ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ヘタレほど短絡的なのだよ、ワトソン君。
エロゲーらしいハーレムラブストーリー。
この作品を表現するならば上記一文で足りるほどザ・エロゲー。恐らくバブルの頃の世代設定でひたすら色んなヒロインとイチャコラして過去に遡っていく物語。ややこしい表現やややこしい名前、文学オタクか?って感じのややこしいセリフ回し。見る側に親切じゃないから分かりやすく喪失感を表現したホワイトアルバム2よりも評価は受けにくい作品ではあります。2クール26話もある長丁場、だらだらと色々潜ませた伏線やストーリーの根幹設定である芸能関係からもたらされる色んな利害が物語が更に複雑になり馬鹿な私にはさっぱり。更に更に、真相心理があまり表現されていない、セリフにしていないからまたまた作品を深くしてしまっている。実はこの作品の本当の魅力はそこにある。主人公を除いた登場人物の行動原理が単純じゃないんですよね。だからこそ次にそのキャラクター達が何を理由に何をするのか本当のところは作った人にしか分からない。視聴者に不親切な、それでも次が知りたくなる麻薬的作品。ハマれば抜くのは大変でホワイトアルバムシリーズらしいすっきりしない終わり方も相まってヤバいですね。
エロゲーなんで主人公がヘタレですがその行動の理解はできますね。世の中痛いことから逃げたり苦しいことから避けたり快楽に溺れたり、人であれば当たり前なんで不快感は感じませんでした。潔癖であり続くならば生きるうえで嘘つきであるか行く行くは行き詰まるでしょう。潔癖で嘘つき?実は成り立たないのでそれも行き詰まるでしょう。人はどこかしらで折り合いをつけようと生きているのですから。
キャラクター作画はちょいちょい不安定になりますが大事なところはきっちり動いて安定してるのでヒロインみんな魅力的です。キスを主体にエロを表現しているのですがなぜか恥ずかしくなるエロさ。洋画をリビングで家族で見ててエッチいシーンが始まった的な。
挿入歌は2にも続くものでファンとしてはまさに名曲!最終話のpowdersnowなんてユキの想いと重なって涙チョチョ切れますよ。しかーし、ファンの人には申し訳ないが水樹奈々のOPの媚びまくった歌詞と歌い方マジでキモかった。この人の他の歌も聞いてみたけどダメだった。緒方理奈としての水樹奈々は良い歌い方してるし演技も良かったと思うんだけどなぁ。あ、EDは他の人が歌ってますが情緒的で良かったですよ!
実は2よりも1の方がストーリーは好きなんです。情緒がありわざわざ言い訳のような心境を表したセリフが少ない。だからこそややこしい展開と分かりにくい行動原理が多い作品でありながら見入ってしまうそんな作品。レビューは前半、後半の総括です。
終始ヒロインが空気なんですが最終話には全部もっていかれた私は製作陣の思うツボだったかもですね。