蒼い✨️ さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ピカレスク・ロマンを演じきれない男の復讐劇。
アニメーション制作:SILVER LINK.
2017年1月 - 3月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、『月刊ComicREX』に連載されている、原作者:竹岡葉月、作画:Tivによる漫画作品。
単行本第6巻までをアニメ化しています。
(2017年1月時点で8巻まで刊行)
【あらすじ/概要】
8年前、『アクセル・ワールド』のハルユキ似の早瀬政宗という太った子供がいた。
家は金持ちで怠惰で賢くもなければ運動もできないイジメられっ子気質。
そんな政宗だが一人だけ心を許した女の子がいた。
彼女の名前は安達垣愛姫。広大な屋敷に住み、政宗の家を遥かに上回る資産家のお嬢様である。
政宗は、とても厳しいけど同じぐらい優しい愛姫に惹かれていた。
だが最後には、いつものようにイジメられている政宗に対して、
『あんたなんか 好きにならないわよ 豚足』
と屋敷の中から言い放つ愛姫の人影。政宗は、悲しみのあまりに逃げ出していった。
トラウマを負って信州の祖父の家に泣いて駆け込んだ政宗ではあるが、
泣きながら菓子の山を貪り尽くす甘ったれた豚のような孫の姿に祖父は、
『なさけない孫じゃ…』
『いや このままじゃ ただの豚じゃ!』
と激怒。それから8年間、政宗は祖父の手で徹底的に厳しく鍛え直された。
『安達垣 愛姫…!』
『許さない!絶対!』
こうして、文武両道の細マッチョのイケメン主人公・真壁政宗が誕生したのだった。
政宗は高校二年時に、物語の舞台となる私立八坂高校に転入。
編入試験満点。体育の授業では並外れたヒーロー。道行く女子が振り返るイケメン。
若干ナルシスト気味ではあるが、すぐにクラスの人気者になっていった。
政宗の目的は一つ。かつて自分を裏切った愛姫への復讐。
そのために自らの正体と過去を隠し、愛姫の通う八坂高校の生徒になって彼女に近づくのだった。
【感想】
恋愛ジャンル作品の重要な部分は、
・男女カップルが一緒に居て重なる手、お互いの視線。それらを見ていてドキドキニヤニヤできるか?
・“ここで告白するか?”みたく、キャラに対するシンパシーや応援する気持ちが芽生えるか?だと思うのです。
このアニメの場合、主人公の目的が成就するか?ヒロインの気持ちはどうなの?とか大して気にならなく、
それはワケアリと言えども言い寄る男衆を罵って人の痛みに鈍感な性格ブスなヒロイン。
“残虐姫”として知られているヒロインを、それでもちやほやする環境。そんなヒロインに執着する主人公。
仮にヒロインの愛姫様の容姿が悪ければ性格と併せて学内一の嫌われ者に相違無いです。
人を見た目で判断するカーストが確立しているという歪な学内環境が、作品への好意を妨げてるといったところですね。
イケメンが正義、可愛いが正義、美人であればモテるし性格悪くても嫌われない学校。
愛姫様が美人であっても、大いに難のある性格では“君子危うきに近寄らず”が普通であり、
結局は女は顔?それと優等生で金持ち令嬢というトロフィーとしての価値で彼女にしようとしてるのか、
愛姫様の人となりに対して全く考慮していなく、
言い寄る男A・B・Cも愛姫様の男性に対する辛辣さを敢えて無視して告白してるのか脳みそがあるようにも見えず。
それは故意に猛獣の檻に手を突っ込んで大怪我をするが如し。
彼らには愛姫様に振られて変なあだ名を付けられ撃退されて泣きながら去っていくという以上の役割もなく、
愛姫様の性格の悪さを見せつけるためだけの物語の中の書割に過ぎないですね。
振られ男が他の役割を与えられたかと思えば政宗と愛姫の距離を縮めるための小道具。
名無しのクラスメートも政宗のイケメンを讃える書割。愛姫にトロフィーヒロインとしての価値を付加するための書割。
名ありのクラスメートや愛姫様親衛隊といったキャラすらも、
書割にショタやらBL好きやら、お姉さまラブやらの属性をペタッと貼り付けただけの存在に思えて、
キャラの描き方に人間の妙や面白さには遠いかなって感じです。
内面を見せるキャラは片手で数える程度でいいかなってのがキャラ作りに現れており、
それが、政宗、愛姫、(吉乃)、寧子らのメインキャラなのですが、
物語の中での役割から性格が作られていて、日常芝居じゃなくて劇を見せられてる気分。
原作が程々に絵柄が可愛い名作でも何でもない普通の漫画ですので、
アニメも名作でもない普通のアニメになってしまった。
過度の期待をせずに、お楽しみください!というところでしょうね。
このアニメのどこがまずい?かというと劇みたいな脚本のくせに、お話途中で最終回になった所。
ハッピーエンドにせよバッドエンドにせよオチを付けてこその劇。
仮に2期をやるとしても1冊で2話分という従来の原作消費ペースから見るに、
4回の放送分で一旦の決着がついてしまうあたりが中途半端な区切り方だなっと!
あれこれ書きましたが結局のところ、登場人物を好きになったり、
主人公カップルを応援する気持ちが沸かなかった(くっつこうが離れようがどうでも良い)ので、
恋愛を扱った作品としては、評価は微妙ですね。
途中から出場したライバルにせよ、ズルはあかんやろ!というのがメインであって、
結果として仲がどうなろうが知ったこっちゃないというのが正直な気持ちでした。
原作を読んだ時はそこまで印象が悪くなかったのですが、映像では時折キャラが10頭身になったりと、
アニメを観たときの微妙感が評価に影響してしまったのかもしれません。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。