たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
深掘りをしようと思えばいくらでもできるメタファーが多い
「メイドインアビス」を読んだときに思い出したのと、冨樫義博がリスペクトしているマンガ家の一人(他は伊藤潤二など)だということ以外に、
アニメとして「メタファー」が多く入れられていて、エログロなのに非常に美しく洗練された本質をえぐっているので、海外で絶大な人気があるR15と書いてあるが、18禁でもおかしくないアニメ。
まずオープニングからして知的な引用から始まり、アールヌーヴォーであり象徴主義絵画でお馴染みの「グスタフ・クリムト」の引用から始まる。
「クリムト」は女性の裸体の描写を押し出して、官能的劣情的であると共に非常に死の香りが漂う異色の抽象画家であり、実はこのアニメとテーマが同じであることをオープニングで語っている。オープニングだけでもこの作品がどういう内容かわかる作品作りになっていることが大きい。
本作は恐らく日本のアニメ史上初めてといっても良い非常にバイオレンスとエロスを押し出した「TVアニメ」であり、テレビで女の子の裸体にはっきりと乳首が描かれたことと、人体の断面図(肉や骨や神経の断面)を描いた。まあ、「GANTZ」でも描かれていたかもしれないが、はっきりくっきり描いたのは本作くらいである。
非常にアート性が高く、萌えアニメでも一線を画しているため、海外のアニメファンには日本以上の盛り上がりがありアニメのアンケートなどをやると必ず上位に上がるほどの人気である。日本人とはそういう意味では感覚が違うかも知れない。