Keiner さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ディストピアと刑事物の調和
管理社会ディストピアものは、自由や人間の尊厳を掲げる主人公がそれに立ち向かうという構図が多いと思われるが、あえて管理者の側を主人公にした発想はとても面白い。
結果的に、一係内での正義の相克や、歪んでいるとはいえ、人間性を独自の哲学に基づいて表現しようとする敵役がうまく噛み合ってとても考えさせられる内容になっている。
特に主人公二人をシビュラの極でも、マキシマの極でもなく、中間に位置付け葛藤させ、最終的に違う答えに至らせた点はドラマチックだった。
2クールということもあり、各キャラクターの掘り下げもかなりされていて、丁寧な作りだった。ただ、後に再編集1クール版が出ていることからも分かるが、やはりちょっと冗長なところもあったかもしれない。
世界観や展開には若干無理があるところもあったが、純粋な刑事ドラマではなく、アニメ的な表現に調整した結果と思われる。違和感を感じるほどではない。
どのキャラも一貫した考えがあってかなりかっこいいが、全員かっこよくする必要があったのかは疑問。キャラクターに変化があまりなく、葛藤しても結論は最初の考えのままである。完璧超人だらけではなく、もう少し隙のある愛されキャラみたいな存在がいても良かった気がする。