ポンコツ販売員P さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アニメ業界の理想形。それが武蔵野アニメーション
P.A.WORKSの”働く女の子シリーズ”第2弾!!
今回はアニメーション制作会社の新人を描いております。
<ストーリー>
前半12話までは武蔵野アニメーション(以下ムサニ)が元請け作品7年ぶりとなる「えくそだすっ!」の制作風景を描いております。ここでの主人公の立ち位置は先輩社員の補佐でした。まだ入社して日が浅い主人公はやる気と根性でムサニの一員として働いています。
後半からは「第三飛行少女隊」(以下サンジョ)の制作にあたって主人公は”制作デスク”を任されることになりました。制作デスクといえばアニメ制作の全てに関わる人であり中心人物となる存在です。またサンジョ編から中途と新卒で社員が加わり人間関係が少し変わっていきます。そんな中主人公は原作サイドとの衝突や下請け会社の制作遅延などのトラブルと対峙しながら作品完成まで導いていきます。
2クール放送なだけあって中途半端なところもなく満足いくボリュームでした。
<キャラクター>
主人公は決して器用なタイプではないですが、何事にも一生懸命取り組んでいます。また高校時代に所属していたアニメーション同好会の部員たちも職種は皆違えど何かしらの形でアニメ制作に関わっています。最初は新人だった主人公も後半からは後輩もでき制作デスクにまでなることができました。
何事にも真剣に取り組める人間は誰からも好かれます。制作進行は人と人を繋ぐ橋のような存在なので他者からの信頼あってこその仕事なのだなと思いました。
<感想>
ムサニはアニメ業界の理想形です。これは断言できます。世の制作会社がみんなムサニのような会社であれば日本のアニメ産業は今後50年と栄えるであろう文化になると思います。ですが現実は違います。給与の低さや長時間労働などの問題からこの業界は破たん寸前と言われています。日本ならではの細かい作画やクオリティの高いCG技術など他国には真似できない良い点がたくさんあるのにも拘らずこんなことではいずれこの業界は衰退してしまいます。アニメ業界はアニメ好きの憧れの職業でなりたくてもなれないようなそんな職でなければならないのです。社員全員心からこの作品を作って良かった、この仕事をしていてよかったと思えるような職場にしていかなければダメなんです。この事実を改めて考えさせられるような作品でした。
<ストーリ面の指摘点>
1つこの作品の指摘点を挙げるとするなら、”登場人物の役職の詳しい説明を行わなかった”とこは残念な点です。アニメ制作には会社内外合わせてたくさんの人物が関わっています。その中でラインプロデューサーとはどんな役職なのか、メーカープロデューサーとはどんなことをする仕事なのかなど疑問が出てきてもおかしくない程この作品は登場人物が多いです。例えば第1話を丸ごとアニメ制作の流れや、役職の仕事内容など詳しく説明してくれればもっとこの作品を楽しめたと思います。また、この説明が最初にできていればアニメにあまり詳しくない人にも視聴するきっかけ作りにもなるのではなかったでしょうか。