「破天荒遊戯(TVアニメ動画)」

総合得点
60.1
感想・評価
78
棚に入れた
440
ランキング
6020
★★★★☆ 3.5 (78)
物語
3.5
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.4
キャラ
3.7

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

女性向け中二病っぽいナマイキさも含め、捨て難い魅力あり。ラゼルちゃんの生き様がスタイリッシュ!

「月刊Gファンタジー」→「コミックZERO-SUM」の漫画原作、作者は「まりあ†ほりっく」で知られる遠藤海成先生ですが、百合では無くハーレム(美少女主人公に美青年二人)寄り。
全10話のオムニバス、ロードムービーです。鬱展開多めながら作風は軽妙。
14歳にして非常に達観した明るく強い主人公ラゼルちゃんが、行く先々で、人の哀しき業故の事件に遭遇、これをスタイリッシュに斬っていく感じ。
話の展開にやや戸惑うところ多いのですが、ラゼルちゃんのドラマが好き。

達観、というか確固たる価値観を持つ強いヒロインが無双する私強い系。
本作の評価は専ら、ラゼルちゃんを気に入るか否かになりそうです。

{netabare}『物語』
14歳の少女ラゼルちゃんが突如義父から旅に出され、ひょんな事から、陰のある美青年アルセイド、飄々とした優男バロックヒートを引き連れて旅を続ける…
…初っ端から展開が破天荒というか、唐突と言いますか。
全般的に説明不足だったり唐突さが目立つのが本作の特徴、ここら辺はあまり気にせず、ラゼルちゃんと美青年ふたりの掛け合いや関係性、ラゼルちゃんの達観した人生観を拝聴しつつ、哀しい事件を絡めたドラマを楽しめるかどうか。
オムニバス(5、6 8,9話は前後編)形式のロードムービー、悲哀を感じるシリアス多いものの、ラゼルちゃんが醸す(私らしく面白おかしく生きる)人生観と掛け合いの軽妙さが、独特の魅力ありました。

かなりの私強い系、無双系です。(戦闘力もさることながら、人格面で)
理想的な美青年ふたりと強い絆がある!という設定自体も、私強い系の一環かも。
この構図で恋愛ではなく、対等な友人関係なのも魅力か。

全般的にちょとフシギ、ダークファンタジー寄りの世界観から、人の哀しき業感じさせる鬱展開多い。
ラブコメよりも、ゲストヒロインとの交流多いが百合感はあまりなし。
バトルの見せ場が微妙なのは、この手の作品故仕方が無いか。

ラゼルちゃん語録が中々印象に残る。
「人という字は明らかに左側の奴が楽をしている!」は確かに!成程~と思った。
よくありそうな話と思いきや、検索してみると、本作が元ネタとは意外でした。
この世界、漢字があるんですねぇ。日本っぽくない異世界なので意外。
この他の語録もセンスが良いもの多いです。


1話は幽霊になって男を待ち続けた女性の話、その男は悪党で愛など無い、それでも愛するのか幽霊…
悲喜こもごものドラマありつつ、ラゼルちゃんがバッサリ解決。
いいはなしだなーと思うか、強引と感じるか?
子供のクセに偉そうに!…と思わなくもない?
でも。達観しつつも、子供だからこその純真さ妥協の無さは、尊いのかも知れない。

2話の勧善懲悪活劇は微妙。
悪い意味で無双系、色々と雑というか、強引過ぎる。
1話が好みに合わなかった場合、この2話で切る人多そう。
とはいえ王道ではあるし、ラゼルちゃん&美青年ふたりの活躍もスタイリッシュではある。

3話のサーカスの話以降、不気味さと哀しき業にまつわるエピソードが多く、どのエピソードも中々良かった。
サーカス回は女性の業と執念から切ない悲劇に持って行くホラー、良い感じに後味悪い。

4話の性格やや悪い少女マデイラとラゼルちゃんが交流して友情結ぶ話、本作で一番好きかも。
この話でラゼルちゃんの魅力がよく分かる、(良い意味で)ワガママな私強い系も悪くないかな~と思えてくる。
百合ではない、きちんとした?女の子同士の友情物語。

5話6話は重苦しく非常に切ない。
救いの無い酷い話、少女ララウェルの業に対するラゼルの答えは…?
本作は説教くさい一面もありますが、決して安易に答えを出しているわけではないのは好印象。

7話も前回に続き、哀しみを背負ったゲストヒロインと交流する話。
アルセイドの信念や生き方もラゼルちゃんに負けてないスタイリッシュ!
7話に限らず話自体は割と王道で、先が読み易いです。

8、9話、アルセイドを慕うホモもとい元戦友のソレスタ登場。
アルセイドを巡り、ラゼルVSソレスタの修羅場が!
いや~、女性向け作品の、性別関係ない愛って好きです。
ラゼルちゃんの強さが改めて分かる回、ソレスタ君相手が悪かった…

10話で唐突に旅の終わりが訪れる…
敬愛する義父と大切な旅の仲間の狭間で、ラゼルちゃんの選択。
過去に背負った辛い事情が分かるものの、やや分かり難かったかも。
私たちの旅はこれからだ!


総じて、2話以外はオムニバスに十分な魅力ありました。3話からエンジン掛かってくる、4話が一番良い。
全般に説明不足というか、主要キャラ同士のドラマ含めて深みはイマイチだったり、世界観に特に魅力あるわけでもない。
原作やキャラに特に思い入れが無い場合、微妙に入り難い面も。
なので本作の評価はラゼルちゃんに魅力感じるかどうかが大きいです。
…原作未読ですが、アニメ版は極序盤に過ぎない模様。
全10話と物足りない一方、物語というか三人の行く末が気になるくらいには印象に残る作品でした。


『作画』
キャラデザは綺麗。黒髪ラゼルちゃん美少女、目が大きいのも少女漫画っぽくて好み。
毎話ラゼルちゃんの衣服が変わるのもオシャレで可愛い。
陰鬱な話が多い世界観描写も中々。
アクションはそこそこ。

『声優』
ラゼルは小林沙苗さん、快活で凛としたイメージバッチリでした。
クールイケメンのアルゼイドに櫻井孝宏さん、三枚目イケメンのバロックヒートに三木眞一郎さんも流石。
ゲストも軒並み豪華。

『音楽』
楽曲はスタイリッシュな感じ。かつ悲哀を少し感じる作風にマッチ。


『キャラ』
ラゼルちゃんが印象に残る良主人公でした。
快活でワガママ、軽妙なセンスで言いたい放題。
ピンチでも泰然自若でクール美少女、これをイケてる(死語?)と見るか、ナマイキで気に食わないと見るか?
…何となく、男性視聴者からは敬遠されそうなヒロインかも。
確固たる自我を確立している強い女の子です。
それでいて、老成しているワケではなく、ちゃんと自分が子供なんだと、未熟さ弱さも自覚しているのがミソ。
4話を含め、ゲストとの交流できちんと影響を受け、成長している。
強気に振舞っていても時折涙を見せるのも可愛い。
強さと弱さと可愛さ絶妙、ラゼルちゃんを持って本作高評価です。

陰のあるクールイケメンなアルゼイド、おちゃらけた実力者バロックヒートのふたりも申し分なし。
少しずつ彼らの背景も判明するも、全10話では足りてないのが残念。
…原作未読ですが、ウィキ読むにかなり特殊な宿命あるっぽい。

イケメンふたりよりも、ゲストヒロインたちの方が印象的でした。
4話のマデイラは少女の成長劇としてはラゼルに匹敵する良ヒロインでした。
何気に眼鏡っ子萌え。
可愛いけれど切ない業背負った幼女ヒロイン多かった…。

アニメは原作の極一部で未登場の面白そうなキャラ大勢いる。
未読だけど原作読んでみようかな…{/netabare}

投稿 : 2017/08/11
閲覧 : 500
サンキュー:

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