諸星小太郎 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
おっさんこそ観るべし。日本アニメの底力恐るべし。
日本にまだ萌えという言葉も文化もない時代から、ラジ館のBITINNでマイコン少年をしていて、晴海のコミケで米沢さんとコーラ飲みながらコスプレしてた50過ぎのおっさんです。
数年前にトライして見たのですが、その時はラボメンオリジナル3名のキャラ付けと喋り方がどうにもこうにも痛々しくもあり気持ち悪くもあり、途中で断念してしまいました。
で、このたび入院という強制的暇潰しの機会を得て、再びチャレンジしてみました。
するとどうでしょう。初見では気になっていた主人公のウザさをさほど気にすることなく、今回はストーリーに素直に沈むことができて、一気に24回まで進めました。
このレビューでも、途中で断念して低評価を付けておいでの方もチラホラ見かけますが、大丈夫です。とにかく始めの2回を乗り切ってしまいましょう。すると6回まで行けます。6回まで見られれば、12回までは普通に面白く見て行けます。
12回まで見終えたら……。後半は、日本アニメ史上に金字塔を打ち立てた、怒涛の伏線回収と驚愕のストーリー展開がこれでもかとあなたを襲ってくれるはずです。
漫画でこれに匹敵するのは、うしおととら、といえば伝わるでしょうか。
このアニメは、自分のような、さらば宇宙戦艦ヤマトを徹夜して並んで渋谷パンテオンで見た世代にこそ見て欲しいですね。社会の第一線で活躍していたり、家庭で必死に子育てをしている多くの人は、現在のアニメの良作を見る時間や機会があまりないことでしょう。しかしちょっと掘っただけで、このような傑作がザクザク出てくるのが日本のサブカルチャーの底力です。この作品の世界観に打ちのめされたのち、え?え?もしかしてもっと面白いのあるっての?となって欲しいものです。