どらむろ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
挫折した英雄の志を継ぐ、少年の成長ドラマは中々。ソシャゲ特有の難は多いですが、嫌いじゃ無いです。
ソーシャルゲームのRPG(通称ソシャゲ)原作、全12話。
悪の軍団に一度負けた主人公たちが、挫折を乗り越え仲間との絆で戦っていく…
ソシャゲアニメにありがちな難(多過ぎる上に掘り下げ不足なキャラ、ダイジェスト感ある展開等々)多く、良作とは言い難いです。
ただ、主人公のドラマと大筋の構図は分かり易く、そこそこ好感は持てます。
甘いとは思いますが、ギリギリ及第点という事で…
{netabare}『物語』
世界を滅ぼそうとする黒の王(魔王っぽい)の軍勢に、1話初っ端から敗北スタート。
義勇軍の英雄ユーリは無力感に打ちのめされるが、ナマイキな少年アラムはユーリに影響され、次第に成長していく…
…初っ端敗北スタートなアニメは別に本作だけでは無い。
「ブルージェンダー」「キスダム」「マブラヴ オルタネイティヴ」とか、主人公陣営が序盤敗北する作品も無くはないです。
まあ、1話時点で負けてるのは流石にレアケースかも。
見所は挫折し苦悩する英雄ユーリと、血気盛んな少年アラムとの交流。
ユーリは責任感と無力感の狭間で追い詰められる、でもアラムや仲間達との交流は無駄では無かった。
反発していたアラムが次第にユーリに惹かれていき、英雄の意志を受け継いでいく過程は良かったです。
仲間との共闘を覚えたアラム、戦力集結していくバトル展開は王道で分かり易い。
話の軸をアラムの成長に絞って見れば、そんなに悪くはなかった。
神秘的でおくゆかしいヒロイン・フィーナの、ユーリへの密かにな想いや、純真なアラムとの交流も中々。
ユーリ本人は途中から(キャラクターとしては)退場同然なんですが、アラムとフィーナを通して存在感はあり。
ユリアナ姫と、闇落ち騎士ブルクハルトの対決も中々良かった。
のですが、ブルクハルトが気の毒な印象も強い…。
また、ED後の茶番予告がコミカルで楽しいのも密かな見所でした。
…こうしてみると案外悪くない作品なのですが。
キャラ多過ぎる弊害か、(原作知らない層にとっては)積み重ねが感じ難い為か、各勢力との交流パートが盛り上がらず。
主人公陣営は複数勢力の連合軍で勢力代表キャラがユーリ(後半アラム)に加勢したりする、それは燃える展開であるハズなんですが、ダイジェスト感が強いのが残念。
中盤のユーリ闇落ちが、闇の力による不可抗力な印象なのが一番難でした。
途中までのアラムたちとの交流は何だったのか…
闇落ち後は殆ど操り人形で、アラムに立ちはだかる壁としてもイマイチ。
最終話の展開も、敵ボス含めて闇落ちは不可抗力だった印象強く、本作の肝「絆の物語」が薄っぺらく見えてしまう。
悪側に信念が感じられないというか、破滅主義…ですらないのも、対立軸が弱い。
絆の光で絶望の闇に打ち勝った!というのは分かるけども。
総じてアラムの成長ドラマと、王道な勧善懲悪(というよりは、おとぎ話的な光と闇のバトル)としての素材は悪くなかったのを、ソシャゲ特有の大勢キャラ顔見せが薄めてしまった感。
アラムとユーリ、アラムとフィーナ、ついでにユリアナ姫は良かったので、(多分原作ゲームの)ポテンシャルは高い(のだろうなぁ)と思ったです。
『作画』
キャラデザもアクションも力入っていて良い感じ。
闇の軍勢に飲まれている世界観描写や、派手な戦闘シーンも中々。
大作RPGらしい持ち味は流石です。
『声優』
豪華声優陣。石田彰さんの青年リーダーは流石でした。
山下大輝さんのナマイキ少年も良い感じ。
佐倉綾音さんの奥ゆかしい系もいける。
敵ボスの大塚明夫さんは魔王らしい貫禄、茶番予告でのコミカルも面白かった。
『音楽』
OP・ED共にRPGの世界観と雰囲気に合っている良曲。
劇中の戦闘や交流シーンも盛り上げている、楽曲は良いです。
『キャラ』
最初は協調性なし、次第に仲間との絆を学んでいくアラムが良き主人公でした。
曲者多い各陣営のトップを説得できるまでに成長していくのは見事。
闇とは無縁そうな純真無垢さもグッド。
本人の強さもさることながら、固有異能が味方強化バフなのも、絆重視の主人公らしい。
彼に限ればキャラ評価高いです。
苦悩する英雄ユーリは仕方が無い面もあるとはいえ、闇落ちに説得力欲しかった。
闇落ちの説得力では、ブルクハルトが断然上なのでは…
初期の跳ねっ返りなアラムを導く人格者なんですが、黒騎士化してからは見せ場が殆ど無い。
メインヒロイン?フィーナちゃん可愛かったです。
物語の鍵を握る、奥ゆかしい系ヒロイン好みです。
アラムとの夜会話シーンは萌える。
私好みのヒロインなだけに、やや地味な扱いは残念。
高潔な姫騎士ユリアナ姫も存在感あり。
揺るがぬ信念はカッコイイ。
でもブルクハルトかわいそう。
ブルクハルト、君は間違っちゃいない、真面目過ぎたんだ…
「無責任艦長タイラー」のヤマモト君ポジ。
敵ボスすら救われるのに、かわいそう。
黒の王は世界の破滅を目指す魔王だけど、殆ど現象でした。
幹部たちも目的意識不明瞭でイマイチ。
女幹部は茶番予告パートで可愛かったですw
この他キャラ沢山、あまり覚えていない…{/netabare}