「冴えない彼女の育てかた♭(TVアニメ動画)」

総合得点
92.4
感想・評価
1434
棚に入れた
7780
ランキング
21
★★★★☆ 3.9 (1434)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

冴えない彼氏×彼女×視聴者の育てかた

皆さんご無沙汰してます。
灼熱のように太陽が照り続け・・・引きこもりになりたい時季到来ですが
お元気にお過ごしでしょうか?
2次元の海・プール・水着を見るだけ夏は充分です(苦笑)

それはさておき原作者でもある丸戸さんが脚本に携わる『冴えない彼女の育てかた』テンプレのような青春謳歌作品です。
そのなかでもヒロインの加藤 恵に萌る作品と位置づけしています(笑)
後ほどジャンルとして毛色が違う点を綴ります。
※1期視聴が前提になっていますので悪しからずご了承ください。

ジャンルの系統は、先ほど述べた青春学園ラブコメ。主観として『さくら荘のペットな彼女』に近い印象。ストーリーの素材である学生,クリエイター,仲間集め,天才,苦悩,成長と連想するキーワードは少なからず似ておりますが、蓋を開けてみればメッセージ性の異なる対極の作品。
その辺りはご自身で比較してもらえると分かりやすいかと振り逃げですが、今作に限らずストーリーないし絵(キャラデザ)で購入、視聴する方が大半だと思います。但し、今作に限っては、その否定を含んでいる点が皮肉にもスパイスが効いており丸戸節と感じます。
要は加藤 恵というキャラが全てでありサブヒロインである英梨々,詩羽とは異なる立ち位置にいることで物語っている。

要は、今迄にいないキャラ設定につきます。昨今、ラノベ、漫画、オリジナルアニメと飽和している媒体で一線を画しています。
当然、そこにはストーリー性の整合性もありきで、いかに視聴者に飽きられないか工夫するクリエイター魂が試されています。
それが実際問題、王道ストーリーやテンプレキャラ設定および露骨なエロで丸く落ちついているのが問題で成長どころか退化している。そう簡単にヒット作なんかでないから当然だろ!と言われたらおしまいだが・・・何かしら作品の良さの有無に関わらず平坦になりすぎているように感じる。

少し余談になってしまったが、丸戸作品の特徴は、ゲームプレイヤ(視聴者)に良くも悪くも現実を直視させることといえる。アニメ化にもなったホワイトアルバム2が分かりやすい例ではないだろうか。そういう意味では数少ないライターの1人といえる。

主人公の倫也は、オタクであり3次元より2次元を愛でるあたり、どこぞの落し神のような節もあるが、行動力は突出しているが空回りする空気の読めなさ感情論で話す傾向が強くご都合主義補正で救われている要素が多い。
視聴者が投身に置き換えるのはゲームでもアニメでも痛々しいが、彼を支える加藤,英梨々,詩羽によって成長することでクリエイターとしての心構え、さして人間成長に繋がっている。ただ、この作品の落ち度はサークルでゲーム作りが主軸になっており、学園要素が空っぽで設定資料収集という名目のサービス回だけで学園はおまけ程度のお仕事アニメ。学生がゲーム製作するという過程に憧れや熱意といった必要なポテンシャルを描く上では良い教材で丸戸さん自身の境遇を重ねているのかと思わせる。それらを踏まえ紅坂さん登場によるシリアス展開を描き現実を直視させる辺り若きクリエイターに期待している裏返しではないだろうか。

それは同時にツンデレ英梨々,ガハラさんのような詩羽の成長譚に繋がっており、倫也から特別視される情にもてはやされるだけでは開花できない才能の顕れ。仲間意識を高め夏コミが落し所であれば可もなく不可もなく無難なラノベに埋まっている作品。シビアな見方をすると、同じ学校に同人絵師に作家がいる時点であり得ない世界観に加え業界プロから引き抜きの超展開とだが、現実との整合性を持たせるのに加藤が大役を担っている。

加藤 恵が全てを調和させる理由。

さり気無い会話から疑問を投げかけオタクである倫也に偏見がない反面、会話にも感情起伏をあえて与えず普通の存在に留めている。これは現実の女性も初見で自分の我を見せたり好きでもない男性に媚びを売ることもなく、ただ、ただ普通の反応を示し当事者は退屈でおもしろくないと感じる。だが、そこは倫也に引っ張られるメインヒロインに起用するという目論見から距離が近づいてくる。加藤自身は、オタクを肯定も否定もしないだろうし、物事の興味対象が好きか嫌いかどうかで判断しゲーム製作している私も、オタクなのかな? という認識だと思う。それは加藤というキャラがクリエイターでもなくメインヒロインとしての頭角を徐々に描かれることが彼女の魅力になっており作品の調和に繋がっている。それは倫也以外との掛け合いを見ていても一目瞭然とわかることだろう。
倫也,視聴者が求めるキャラ像からかけ離れた存在で彼女自身の性格を垣間見せることで作品の深みを与えている。無色透明なピュアヒロインなどいることもなく、どこにでも居そうで居ない普通の存在感がメインヒロインとなる。

『まるで、現実の女の子を好きになった時のような息苦しさや、もどかしさや、ドキドキを感じられて、ヒロインと過ごす時間そのものが貴重だって思える、心から彼女のことを好きになれる物語』

この台詞に集約するストーリーに加速し、視聴者自身に宛がわれたメッセージですね。

PS
相変わらず好きなこと綴り駄文ばかりで申し訳御座いません;
ではでは、熱中症で倒れないように!

投稿 : 2017/08/05
閲覧 : 364
サンキュー:

21

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