「破裏拳[はりけん]ポリマー(TVアニメ動画)」

総合得点
66.0
感想・評価
23
棚に入れた
100
ランキング
3068
★★★★☆ 3.6 (23)
物語
3.6
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タツノコのカンフーヒーロー!娯楽性に特化で痛快アクション、傑作です。

「科学忍者隊ガッチャマン」「新造人間キャシャーン」に続く、タツノコプロの変身ヒーローアクション全26話。
重厚でシリアスなガッチャマンに比べ、コミカル寄りでお気楽に楽しめる感じ。
見所はブルース・リーをリスペクトしたカンフーバトル!
21世紀の大半の格闘バトルアニメよりスゴイのでは…

ガッチャマンが1期105話、2期52話なのに対してポリマーは26話と手頃。
娯楽アニメのお手本のような傑作、(ニコニコやGYAO!で久々に視聴)非常に面白かったです。

{netabare}『物語』
アメホン国ワシンキョウ市(日本とアメリカごっちゃになっている無国籍都市)のヘボ探偵・車錠(くるま・じょう)探偵長の助手として、主人公の鎧武士(よろい・たけし)が国際警察の鬼瓦長官(通称鬼トラ)の無線を傍受→ヘボ探偵長と一緒に解決に乗り出すがコミカル→悪の陰謀やらあって→実は武士の正体は変身ヒーロー・ポリマーだ!破裏拳(はりけん)流拳法で大暴れ!→テルちゃんポリマーに惚れるがその正体は(老犬の男爵以外は)誰も知らず、おマヌケでコミカルな事務所の日々に戻るのだった。

基本1話完結で、上記のパターン。
作風が明るくコミカルなのが特徴、探偵長を中心にしたやり取りがいちいち面白いです。
タツノココメディーの完成形。
ヘボ探偵長がヘマしまくってピンチになっても、コメディー作品なので大丈夫。
一応探偵物だけど、情報はザル警備な国際警察からくすねるテンポの良さ、紅一点のテルちゃんがポリマーに惚れるが正体分からず(実はダメな同僚武士なのを知らない)など、ワンパターンながら各話安定して面白い。
たまに推理回(24話のタコ仮面など)もあったり、22話の復讐劇など結構ドラマ性の高い回も(特に後半多く)見応えあり。
1話完結ながら、武士と鬼トラ長官の親子ドラマという軸も良かったです。
17話「ポリマー誕生の秘密」で重要回持ってくるなど、通して見ても納得感がある。

シリアス感薄い作風ながら、流石は「モブに厳しいタツノコ」
毎話、悪の組織の襲撃でモブ警官大勢惨たらしく殺されたり(敵怪人たちの殺し方が毎回凝っている)、5話なんて、750人犠牲になったとか、さらっと言ってる…
豪華客船が爆破されて大勢犠牲になったり(タツノコアニメの船は死亡フラグ)
モブには厳しいけれど、悪運最強な車探偵長だけは絶対に死なない安心感w
冷静に見るとモブに厳しすぎるんですが、終始コミカルな雰囲気崩れないのも凄い…。

最大の見せ場は何といっても破裏拳ポリマーのカンフーバトル!
無双系、毎度敵軍団を蹴散らしまくる!
ここが非常に凝っていて、展開はワンパターンなのに、全く目が離せない。
いつも敵が可哀想になるくらい圧倒、時々ピンチでハラハラさせる回も良いアクセントに。
戦闘シーンはガッチャマンよりも数段見ていて楽しいです。

総じて娯楽性が高く、終始作風がコミカル、王道パターン確立しつつ、痛快バトル!
全26話殆ど飽きさせない面白さでした。
ガッチャマン程の深みや重厚さは無い、そこも娯楽作品としてはむしろ長所。
タツノコ作品中では知名度一歩譲る感はありますが、アニメの面白さはヒケを取らないです。

余談。
6話で「アラアラの神」をコミカルに…モデルは明らかに…
この時代、まだあんまり自重してないんだなぁ…


『作画』
70年代タツノコの濃いキャラデザ、これはこれで味わいが。
コミカルなシーンの描写も楽しい。
魅力はアクション。格闘シーンが派手なだけでなく繊細な描写(関節技や反則技、敵の部位破壊など)ルール無用の実戦格闘!
ヌルヌル動く躍動感、近年含め大半のバトルアニメにありがちな、止め絵で適当に殴り合い敵が適当にダウンするのではなく、パンチや肘打ち一打一打を丁寧に見せてくれる。
格闘バトルアニメの最高峰なのでは。
タツノコ特有の機械変身や、敵の変態的メカも楽しい。
総じて70年代に、近年含めてこのレベルのアニメーションは中々無い。
時が未来に進むと誰が決めたんだ?…(ターンエーガンダムOPより)


『声優』
今は亡き豪華声優陣による貫禄の演技が、コメディー・バトル両面で光る。
故・曽我部和恭さんの初主演です。普段の三枚目と、ポリマーのブルース・リーばりの掛け声が圧巻。
故・青野武さんによる車探偵長も非常に良い、あのコミカルな味は絶品でした。
初代ジャイアンで有名な故・たてかべ和也さんの老犬男爵も番組の締めとして良かった。
バカボンのパパで有名な故・雨森雅司さんの鬼トラも、探偵長(青野さん)との掛け合いでコミカル演出。

『音楽』
典型的なささきいさおソング「戦え!ポリマー」が超カッコイイ。
今時のスタイリッシュなアニソンもいいけれど、70年代の泥くさい熱血ソング大好きです。
「ハァー!リィー!ケェェン!ポリマァァー!」
「ダンダンダンダンディンダダーン!バンバンバンバンズンババーン!」
「敵を~あざむく~影!影!かげぇぇぇ~!俺は~ハリケーン~はりけんポリーマー♪」
これが山場のバトルの度に熱唱、白熱のカンフーバトルが嫌が応にも盛り上がる!
ん~、やはりアニソンは70年代80年代に限るなぁ(懐古)
…カラオケで歌う際は、影!影!「↓かげぇ~~」のところが好きw


『キャラ』
「才能を隠すにも卓越した才能がいる」って「ようこそ実力至上主義の教室へ」2話で言ってた(元ネタはフランスの文学者らしい)
主人公・鎧武士(よろいたけし)はそれを地で行くヒーロー!
普段はドジでおマヌケな三枚目、でも車探偵長がヘボやらかすのを陰でサポート超有能、そして当然、山場のバトルは彼こそがポリマーなのだ!
まさに陰の功労者なんですが、全く嫌味を感じない好青年でした。
普段のコミカルも、ヒーローも、わざとらしくないのが不思議。
父との確執や正義の情熱もあり、きちんとキャラクターとしての魅力があった。

ヘボ探偵、車探偵長も本作のコミカルに欠かせぬ主役であった。
「名探偵コナン」の毛利小五郎の大先輩かも。
無駄に自信家で事件に首突っ込んではヘマしてピンチ、でも絶対に死なないしぶとさ。
調子いい時はジョジョ1部のスピードワゴンみたいな帽子技が結構強い。
金に意地汚かったりする俗物っぷりも含めて愛すべき男でした。
本作は彼あっての面白さ。

鬼トラ長官は無能警官なんですが、時折有能だったり、正義感強いナイスガイ。
ヘボ探偵とのライバル関係でいつもコミカル。
息子であるタケシへの愛情や、昔捉えたネズミ怪人との経緯など彼のドラマも中々。

紅一点のテルちゃんかわいい。タツノコらしいの女の子。
お金持ちでちゃっかりしている、金欠な探偵長とのやりとりもコミカル。
彼女のサポートは結構有能であった。
そして結構強い!怪人数人は普通に倒しちゃう!
武士には冷ややかだけど、憧れのポリマーの正体は知らない…

老犬・男爵も車探偵事務所の大事なメンバー。
彼がいつも(本当は武士がポリマーなのに!)と地団太踏むお約束の締めが、武士(と視聴者)のストレス肩代わりしてくれてる感じ。
探偵長が調子に乗ってヘマするのを見てコミカルなコメント出すのも彼の役目、本作のコメディーに欠かせない。
武士の唯一の理解者、がんばって活躍も多い名犬であった。


怪人たちは毎度コスプレ集団で存在自体が面白いw
でもモブは大勢殺す悪魔ども、ポリマーに蹴散らされても同情の余地なし!
数少ない女性の悪党がいずれもクセ者で魅力あり。
鬼トラと因縁のあるねずみの親分や、ポリマーの変身スーツ作った科学者、兄の復讐に囚われた男など、個別回でも良いキャラあり。{/netabare}

投稿 : 2017/08/05
閲覧 : 561
サンキュー:

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