ブリキ男 さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:途中で断念した
SFC時代のサウンドノベルと比較して
サウンドノベル系ゲームのリプレイ動画的なショートアニメ。
原作は矢内景子さんというシンガーソングライターの人で、脚本はFFシリーズとかのシナリオを書いている野島一成さん。
最近のこの手のゲームは殆どプレイした事が無いので、知らぬ者があれこれと言うのもなんですが、先ず本作の立ち絵を動かしたり上下にぴょこぴょこさせる表現、話し手に注意を向ける意図あっての事でしょうが、とても鼻に付きました。余計なものをくっ付けた安っぽい印象を受けるのです。
従来のノベルゲームでは立ち絵と背景の切り替え、文章と音声、BGMと効果音のみ、もっと昔のサウンドノベル時代のゲームでは、立ち絵無し、音声無しが主流で、それで充分に臨場感を演出していた様に思います。アニメと違ってこういう形式の作品の要は文章なので余計なものはあまり要らないのです。あれこれと加え過ぎると、かえって視聴者(プレイヤー)の想像力を殺してノベルとしての本来の魅力を減らしてしまいます。
ラジオドラマや朗読CD好きな方なら更に情報を少なくしても不自由を感じないでしょう。延々とサウンドノベルが再生される番組があっても面白そうじゃないですか? 極端な話を言うと、文章が上質で筋書きさえ良ければそれだけで私は見ます(笑)
押える所さえ押さえていれば、こういったアニメもどきの作品にも、番組としての拾いどころはあった気はします。実験的な試みとしてはとても面白いのでその点は高く評価したいです。
4話まで見て
{netabare}
物語がとんとん拍子で進む上、端折りが多過ぎ、人物描写が希薄なので、全体的に味気なく、脳内修正が困難なほどぞんざいな脚本と感じました。
中でも酷いのが1話の母ベネッタの「いざとなったら妹を差し出せ」に対する主人公の反応。昨今のアニメとかゲームには消極的でやる気無しの主人公がわんさといますが、この人は極めつけ。ロボにも劣る冷血漢ではなかろーか? 私的には激怒しても良いシーンじゃないかと思いました。
同じく1話の「緊急事態だよ」の台詞にも脚本のやっつけ仕事感が‥ファンタジーにはファンタジーらしい言葉というものがあるものです。ここは「そんな事言ってる場合じゃないんだよ」あるいは「ここにいたら皆殺されちまうんだよ」が妥当だと思います。古典とか読んでいて「緊急事態だよ」なんて台詞を見かけたら、わたしゃ仰天してしまいますよ(汗
3話の「私の首に何か刺さってない?」にも脚本の不真面目さが滲み出ている様でした。そんなとこに矢が刺さって普通に喋れる訳無いでしょうに‥。作り物感が露呈していました。
4話の「赤い目の男を倒したのは‥」「ああ、俺だ」もヒドイ‥。
他にもヘンテコ表現、事務的表現がわんさとありましたが、挙げればきりが無い程なので割愛(汗)
この脚本に加えて、先にも述べた立ち絵ぴょこぴょこ演出の所為でシリアスなシーンも台無し。まるでおふざけの様に見えてしまってどのシーンにも興醒めしてしまいます。
声優さんの豪華さや絵の美しさが可哀想に思えてくる程に、お粗末な脚本と演出、出来の悪い即興の紙人形劇を見ている様で全く楽しめませんでした。
{/netabare}
ショート枠ですがわたしはここら辺で断念しておきます。