たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「進撃の巨人」ほど気合が入ってはいないが
少年ジャンプで連載中の「約束のネバーランド」もそうだが、
「鋼の錬金術師」「進撃の巨人」の大ヒット以降から脈々と続いている「ダーク系」ファンタジー、SF漫画で集英社がおそらく満を持して世に送った漫画であろう。
設定から構成に至るまで手抜が一切感じ取れない。もはや少年漫画の域を出て、サスペンスとしてホラーとしての完成度が高く、作画と脚本を分けたのは良い判断だと思う。
集英社で「ダーク系」が連載されているのは、アニメ化も決定している「カラダ探し」「終わりのセラフ」「ファイアパンチ」「約束のネバーランド」変則的には「終末のハーレム」だろうが、この中では断トツで「約束のネバーランド」が面白い。
まるで1970年代の楳図かずお「漂流教室」を思い出させるのとともに、ヒットしているということで人々の心の余裕のなさが浮き彫りになっているともいえる。
厳しい時代を生きる身としてはかなり作品の過酷さに堪えた。
さて、横道を逸れ過ぎたので「終わりのセラフ」に戻るが
「進撃の巨人」のアニメ化で名を馳せたプロダクションIGから派生したウィットスタジオが制作したダークファンタジー第二弾。
観たところ3DCGなどの使用は極限まで抑えられているため、「進撃の巨人」ほど予算は使っていないがわかる。
原作漫画もそんなに人気のある訳でもないので妥当な判断だといえる。
作画に関しては非常に安定しているほか、アクションシーンはボンズやマッドハウスに匹敵するほど迫力がありよく動く。よほど優秀なアニメーターが多いのだろう。
原作の方はおそらくアメリカのSF小説家リチャードマシスンが書いた「地球最後の男(I AM LEGEND)」を元ネタにし、現代的に発展させたのだろう。
殺人ウイルスによって人類が死滅しかけてたり、荒廃した世界感、吸血鬼たちが独自のコミュニティーを作って社会を築き上げていたりと似通っている部分が多々ある。
キャラクターも個性豊かに描かれている他に、プロのデザイナーがデザインをしているだけあって描き分けられているのも高評価だ。主に女性に受けが良さげな美男子が描けているのは大きいだろう。
傑作ダークファンタジーとまでは言わないが、同スタジオが手がける作品としてはなかなかの出来だと思う。
進撃の巨人3期に期待する。