M.out さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
発展の先に
楽しんで観れた一作。
「カド」という巨大立方体の出現、さらに高次元生物との接触を描く。いわばファーストコンタクト物である。
前半5話くらいまでの物語の推進力は異常であるし 、それ以降は話として魅せてくる。
{netabare}
この話は異世界からもたらされる「技術」に対して人がどのような態度をとるべきか、という視点を大きく打ち出しつつ話を進めている。
現在の技術力では手に余る力、エネルギー。これは使い方次第では人類の薬にもなれば、毒にも成りうる。「核」に通じる部分があるかもしれない。技術自体に善悪はない、とは本作で繰り返し述べられたことであるが、では、我々はどのようにして技術と向き合えば良いのか。どのような態度が「正解」なのか。そんな問いがここにはある。
ヤハクイは人間は特異点であると語っていた。低次元においても、莫大な情報を生み出すことができる存在なのだと。で、それが何故であるかと言うと、物質に意味付けができることが原因らしい。人は全く同じ物質であっても、違う意味を持たせることで、別の物質とみなすことができる。そこに情報が生まれるのだろう。これは我々の記憶の記述、あるいはそれを可能にする創造力の肯定であると思う。
その創造力は発展と密接に繋がっている。
我々の技術の発展と、それを可能にする創造力の肯定。これが、このアニメのやりたかったことではないか。
ただ、物足りない部分があるのもまた事実。最後は「私はこの世界が好きだから、異世界には行かない」という旨のことを述べるが、ここまで論理的に積み上げたのだから論理的な着地をしてほしかった。エトセトラ。
{/netabare}
全体的には満足。こういうアニメがもっと増えて欲しいと願うものです。