インド人を右に さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
キョンの一人称視点が話に深みを与える
「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら私とのところまで来なさい」というあまりにも有名なフレーズで始まる本作。
評価通りの名作でした。
物語は主人公キョンの一人称視点で進んでいきます。
涼宮ハルヒをはじめとして、キョンの前に現れる変わった登場人物たち。
SOS団の団員はそれぞれ背景や目的があって行動しているのですが、団員たちが本心では何を考えているのか、キョンの方からは見えません。
相手の本心がそうそう判らないのは、この私たちが一人称視点で生きる現実世界でも、当たり前のこと。
ただアニメでも現実と同じような一人称視点を選んだことで、「こいつはなにをかんがえてるんだ?」とワクワク・戸惑い・考察させると同時に、若干のリアル感も併せて生んでいます。
涼宮ハルヒが魅力的なのは、自由奔放なアニメ的な存在でありながら、男から見て女子は何を考えているのか判らないというリアルな女子感を感じさせるからでしょうか。ハルヒの可愛さは、最近のチョロ可愛い系とは一線を画していますね。
また大体の主要登場人物がみんな苗字付きなのに、主人公はキョンというあだ名?で呼ばれているのも、視聴者がキョンの視点に入り込みやすくするのが目的だったのではとも思います。
例外として、エンドレスエイトでは視聴者の立場はキョンではなく長門になります。そうやって観ると、キョンの「長門、お前はどんな気持ちで~」というセリフが、なかなかメタ的に響きます。エンドレスエイトは賛否両
論あるようですが、他に類を見ないタイプの話なので一度フルで経験しておくのは有りだと思います。忙しい人にはお勧めできませんが。