oneandonly さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
序盤を乗り越えれば、意外とシリアスな2方向純愛作品
世界観:5
ストーリー:7
リアリティ:4
キャラクター:7
情感:7
合計:30
念願の大学デビューを果たすも慣れない東京の道に迷ってしまった多田万里。道中、同じような境遇の柳澤光央とともに、キャンパスを目指していると目の前に1台の車が停まり、 中からバラの花束を抱えた美女・加賀香子が降りてくる。
彼女は万里たちの方へと向かって来て…。
(公式サイトより)
あにこれにおいて、まずまず高評価されている作品ということで視聴してみました。
3話目まで視聴した時点では、あにこれ評価3.2点とかなり低め。{netabare}絵に描いたような美男(光央)と美女(香子)、香子は光央に相手にされないのに運命の人と思ってストーキングをしていて、光央は香子を避けているのですが、特にこの2人にはリアリティを感じられなかったですね。そして主人公(万里)の記憶喪失設定。テンプレキャラ×ラブコメと来れば、私の苦手ジャンルど真ん中です(苦笑)。{/netabare}
4話で面白くなかったら切ろうと思っていたのですが、その4話で{netabare}万里が香子に告白をして、ほどなく付き合う流れに。付き合うまでのラブコメは退屈ですが、その段階をあっさり終えたことが好印象で、それから香子は美人だけどポンコツなところをこれでもかと見せつけ(付き合うのは厳しいだろうなと、光央を理解できることに)、万里は記憶喪失前の自分を認めることへの葛藤があり、一時は二重人格化するのかと思わせるような場面もあって、序盤では考えられないシリアスな展開に。人格が2つある状態で、それぞれに純愛の対象がある、という構図はなかなかないので興味深かったです。
上昇一方だった評価が終盤に下降したのは、万里が事故後の自分が消えると思うのは自由ですが、実際に消えるということに納得できなかったこと(過去を思い出していっても、今の自分に過去の記憶が追加されるだけでしょう)、高校まで自分の記憶が戻ったとして、好きな子の名前を連呼するような発狂状態に陥るだろうかという点に不自然さを感じたことから。ラストも強引なハッピーエンドだったかなと。{/netabare}
世界観は日常系で、作画と音楽はどちらも付加点なしのため5点と低くなり、リアリティも序盤のキャラ設定が厳しく、終盤に4点に下がりましたが、ストーリー、キャラクター、情感の項目では水準を上回ってきました。
総合得点(あにこれ3.7点)は並作水準で、自信を持って一般の方に薦められる作品とまではいきませんでしたが、直前に視聴していた中二病の2期を中断してしまっていた(作画は美しいけど、序盤は完全に蛇足を感じました。俺には中二病は重いです。)ところ、コメディとしても楽しめるシーンが多々あり、脇役の2次元君やおカメラちゃん、NANA先輩らも良いキャラで、予想外に楽しめました。
とらドラの作者の作品だったんですね。彼女と付き合ってからの見せ場が多く、感情のぶつかり合いの多いストーリーに納得しました。序盤に抵抗を感じても、7話くらいまで見て判断するべき作品です。
(参考評価推移:3話3.2→4話3.4→6話3.5→7話3.6→9話3.7→16話3.8→22~24話3.7)
(2017.7視聴)