anime さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なかなかの意欲作だと思います
羽田空港の滑走路に突如巨大な立方体が現れ、離陸直前の飛行機を飲み込むようにして閉じ込めてしまう。たまたま乗り合わせた日本政府の敏腕交渉官が機長の依頼を受けて状況把握や乗客・乗員の安全確保に協力を始めるが、そこにヤハクイザシュニナと名乗る異次元の存在が人の形になって現れる・・。
現実の世界を舞台にしたパニックムービー的なノリ。日本の総理大臣とか自衛隊の戦車とかも出てくるような形でシリアスに展開していきます。
パニックの主役である異次元人はいたって穏やかで、無限に電力を生み出すという突拍子もない異次元の物体を人間世界に広めようとするなど、前半部分は後の展開を予想させない不穏な空気を常に感じさせる見事な展開。ツカミは申し分なかったです。
ただ終盤からラストにかけて尻すぼみ感が。
高次元の存在が「特異点」を認めるような、人間の本分とか生き方といったものの尊さを感じさせてくれるようなところは心に響くものがあった反面、人類が異次元に連れて行かれることの善悪についてももうちょっと掘り下げてほしかった。
あと結局いたってチープな果たし合いで終わってしまったところも残念。低次元の存在である人間との間に出来た子供がチート化するってのには反射的に違和感を覚えてしまった。高次元の存在があまりに人間に寄りすぎた描かれ方をされているような気がして、スケールダウン感が否めませんでした。
意欲作であることは間違いないと思うけど、勝手なこと言えばもうちょっと発想力が欲しかった。惜しいな〜っていう感想です。