jojoijk さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
槙島とは何であったのか
駄文&妄想一作目だけに限っての話ですが
最終回の日没は槙島の死とともにシステムの(ゆるやかな)終焉を表しているような気がしました.
システム内部も定期的な人員補充や交代があるということは永遠ではない、徐々に変化していくものではないでしょうか?
現在の社会でもそうですが最初は機能しても評価対象の人間もそれに合わせて対策をしてくるので、変質したり形骸化は避けられない.そうでなくてもシビュラも結局中身は人間な訳ですし、人間の社会を良くするという元々の使命感と、その中で遊んでいたい支配者としての万能感に浸っていたいという精神は拮抗しているように思います.そういう意味で腐敗しやすい.
腐敗を防ぐには自浄作用が必要ですがこれは内部のリストラや粛清を避けられませんので、組織の中で働かせることは極めて困難なんですね.
槙島はたまたま現在のシビュラの基準で選ばれて、でもその先でそういう自浄作用を起こしてシステムを改善できる可能性を秘めた人だったんじゃないかと思いました.彼は結局それを拒否しますが…
勿論槙島のような人は今後も世の中で出てくる可能性はありますが、その時にはシビュラはもっとダメになっている訳ですから、もうこのタイミングを逃したらそうした人はそもそも脅威であり選ばれることはないように思います.
つまり最終話で槙島がシステムに組み込まれないことが確定した時点で、シュビラはゆるやかに破滅に向かう運命になったと.
槙島はシュビラシステムが(中身の改変や改良は伴っても)世界に君臨し続けるための守り手であったのではないかというのが妄想です.システムの反逆側でありながら実は終わり行くシステムを最後に救う可能性を秘めた人だったのではと、名前を見てもそんな風に感じました.
聖書の引用が作中でたびたび出てきますが、槙島は多くの人がイメージするようになぞらえるならキリスト的な役割、シビュラシステムはその後滅亡するローマ帝国、そんな感じでしょうか.機械(支配側)の最後の守護者・救世主となりうる人であったが奴隷として生き罪人として裁かれた、というのはやはり聖書を意識しているなと思います.放送終了後しばらく時間も経っていますのでかなり妄想が入った飛躍したことも考えました.システムの変質に気付かず人間も実はおかしくなっているということになるとまた別なホラー作品になってしまいますが…