しろごま さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
個人的には楽しめた作品でした
★イントロダクション(公式サイトより)★
主人公、木春由乃は、田舎から上京し、短大の卒業尾間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。
東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢見て、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は980円。
このままでは、田舎に帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から「地域の町おこしの一環で国王をやって欲しい」との依頼がある。よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。
一時的に日本でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れた残念観光地だった。
そんなこんなで、由乃の"普通じゃない"お仕事生活がはじまった。
★スタッフ★
原作:Alexandre S.D. Celibidache
監督:増井壮一
シリーズ構成:横谷昌宏
脚本:横谷昌宏・入江信五
キャラクター原案:BUNBUN
キャラクターデザイン:関口可奈味
総作画監督:関口可奈味
美術監督:佐藤歩
色彩設計:中野尚美
撮影監督:横山翼
3D監督:小川耕平
編集:高橋歩
音響監督:飯田里樹
アニメーション制作:P.A.WORKS
★最終回を見終えての個人的感想★
{netabare}
「花咲くいろは」「SHIROBAKO」に続く、P.A.WORKSのお仕事シリーズ第三弾という触れ込みで始まった本作品ですが、前の2作品が名作だっただけに期待値が高かったのと、【町おこし】という難しい題材だっただけに、酷評も多いと思いますが、最終話を見終わって個人的には普通に楽しめる作品だったなぁと。
由乃たち5人の出会いと、それぞれが抱える課題にクローズアップしたお当番回、そして建国祭までを描いた第1クール。
瑞地祭を主軸として、その準備の中で見えてきた間野山の課題をクローズアップした第2クール。
1話から13話までは当初の目的である町おこしを、由乃たち5人がアイデアを出しながら企画、実行していくというストーリーでしたが、14話から25話までの後半は、町おこしというより間野山自身の抱える課題・問題を一つずつ解決していくことで町の発展へつなげようと奮闘していく姿が描かれているなぁと感じました。
そういう意味では由乃たち5人も、また間野山のほかの住民たちもストーリーが進むにつれて変わっていく姿が描かれていたように思います。
最終回の終わり方についてもそんな流れで考えた場合、由乃が選んだ選択は、ボクの中ではすごくシックリときた選択だったかな。
いろんな催しで人を呼ぶことだけが町おこしではなく、町の課題を解決するためのコンサルティング的な役割に自分の可能性を見出し、自身のやりがいもそこに見つけられたということなんだと思います。
由乃に限らず、他の4人や由乃が去ったあとの間野山がどうなったのかがすごく見てみたくなる終わり方でした。
ただ、手放しで「いい作品」というわけではなかったのも事実。
ストーリーで言えば、たとえば三種の祭具の1つである【黄金の龍】ですが、最終的に見つからず、代わりにシャイニングドラゴンを持ち出すならまだしも、由乃が野毛さんからシャイニングドラゴンを借りると言い始めたことがものすごく不自然なタイミングだったし、唐突すぎた印象です。
あと、作画については個人的には概ね気にならず、綺麗な印象でしたが、最終回だけは酷かった。
引き絵の雑さがすごく目立っていたし、最後由乃が電車の中で丑松会長に手を振るシーンでは、手を右に振ったときに隣の窓のラインで指が切れていたり・・・。
前半の引き絵の雑な部分は作監チェック、電車のシーンではラッシュなどのチェックでわかるだろうという崩れ方だっただけに残念です。
DVD&Blu-rayに収録される際には修正されていることを願います。
(買いませんが(笑))
2017.09.25 追記
他の方のレビューの中で、13話で人を呼ぶだけでは町おこしにならないことを気づいたはずなのに最後はやっぱり同じことをしていて残念だった的な感じの感想がありました。
ここの同じことっていうのは瑞地祭の事を指しているんだと思いますが、ボクの受け取り方は逆でした。
瑞地祭の復活の目的は、間野山の人々が祭を通して一つになれる、楽しめる場所を作りたかったのだと。
後世に継承していく間野山の文化の一つとして瑞地祭を復活させたかったんだと考えました。
地域の文化、そして住んでいる人々が魅力的な町になれば自ずと観光地としても発展できるという由乃達が学んだ教訓は最後までちゃんと貫いていたと思っています。
{/netabare}