血風連あにこれ支部 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ベッタベタな展開を奇跡と考えるか、ご都合主義と捉えるか
都会の男と田舎の女間で人格交換するアニメ。
映画に行こうかと思ったものの、あまりにも流行りすぎて今時の流行に釣られやすいアニオタだと思われるのが嫌でレンタル待ちしてました。
しかし共興収入250億とはね……。流行は恐ろしい。
ストーリーそのものの流れは悪くない。入れ替わりコメディ路線も割といい感じだし、その後謎めく展開から切なさ路線に繋がるのもいい。
ただやはり、噛み砕いてみると色んな所で指摘を見かけるように矛盾が多いですね。
{netabare}スマホを使って日記をつけてるのに年や曜日の誤差に気が付かない。
また番号がわかってるのに連絡を取り合わない等……。
この辺の設定の破綻が多くてじれったく感じてしまう。スマホがない時代にするか、舞台を限定して情報を手に入りにくくさせるかした方が良かったかも。
その他、中盤明らかになる真相。携帯から日記のデータがいきなり消えたりする所も理屈に合わないと感じる。
同級生がテロ行為を疑問なく引き受ける所も、もう少し自然さがあればと思った。
魅せ方は良くて、クレーターを移動している二人が会うのは時間軸的にも論理的にも明らかにおかしいのに少しいいなと思ってしまった。{/netabare}
魅せ方と絵の巧みさで、ストーリーの荒さをある程度カバーしている感じだなと思いました。
これ理論的に考える人はダメでしょうな。酔わないとダメな作品。こういう作品が流行ってるって事は、世の中がそういう作品を求めてるって事なんでしょうけど。
自分はどちらかというとそうじゃないので、感性が違うんだなあと感じました。
本作のような精神入れ替わりもの、時間物は定番中の定番で類似作品は多いように思いますね。
私が見た作品だとRemember11というゲームが一番近いように感じましたが。(これも{netabare}人格+時間の転移{/netabare}なので。設定の奥行きはこっちの方が私好み)
定番ネタなのにこれが見事にヒットした原因は、キャッチーで引き込みやすいタイトルと美麗作画のおかげなのかなと思いました。
リア充向け、大衆向けとしては成功してるでしょうけど。
重度のアニオタからすれば、もっとガチガチに固めたSF作品を期待していたのですが、そこには至らず。
奇跡も結構、それで感動できる人がいるのも良い事でしょうが。個人的に奇跡は勝手に起きるものではなく、起こすものだと思っているので。ご都合主義を感じさせては厳しいなと思います。
SFの造語である少し不思議の「少し」が少しどころではないように感じてしまったのが、私的には残念でした。