「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)」

総合得点
89.5
感想・評価
861
棚に入れた
5182
ランキング
78
★★★★★ 4.1 (861)
物語
4.1
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

プラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「引き分け」の意味とは

ゲームは勝ちか負けか、引き分けしかない。

序盤のこのセリフがかなり気になりながらストーリーを追っていた。


いまのゲームの世界が創られた過程を描いた物語。無力で最弱で何も与えられず、惨めにただただ生き延びるだけの人間という種族の、最大の抵抗といった感じ。

世界の支配権を巡って、エルフだのドワーフだの魔法を使える種族たちが戦争する世界。その戦火によって荒廃し、住む場所を追われた人間たちは無力であり、ただただ戦争が終わることを祈るばかり。それでも、知恵を使って抵抗しようとリクを中心に「情報集め」に奔走する。しかし、仲間を失っていくだけで成果はほとんど得られず、何かわかったことがあっても、結局魔法種族に勝つすべはない。努力すればいつかはゲームに勝てる、なんていうのは妄言で、勝負する前から負けは確定、偶然が重なりでもしない限りは勝てない……

そんなリクに「偶然」が舞い降りる。シュヴィと呼ばれるエクスマキナの一機(一人ではなく、あえてこう表現する)が、人間の「心」に興味を持ち接触してくる。リクはこれを好機ととらえ、シュヴィとともにこの終わらない戦争を終わらせる計画を企てる。彼らは「6つのルール」を誓い、いわば情報戦により各種族たちを駒のように動かし、人間たちの生きる場所を確保しつつ、目的である「唯一神の顕現」を試みる。

戦いの最中、二人で一生を添い遂げることを約束した二人であったが、途中でシュヴィを失う。彼女が死んでしまい「敗北」を喫したと思ったリクは絶望し、すべてを投げ出そうとする。しかし、ある男が目の前に現れ、シュヴィからの伝言を聞く。シュヴィは機械、すなわち生死の概念はないので、敗北にはならないと。

戦いの最後、唯一神に会えたリクであったが、一言交わすだけで息絶えてしまう。唯一神は、力も何も持たない最弱な種族が知恵と戦略で戦争を終結させた功績をたたえ、彼らに「イマニティ」という名を与えた。同時に世界構造をいまの形に創り変え、リクが掲げた6つのルールを踏襲した「十の盟約」を定めたのであった。

最後に唯一神は「ぼくと引き分けたのは初めて」と言っていた。唯一神は引き分けが好きなのだろうか?いままで圧倒的な力の前になす術なく虐げられてきた人間に与えたのは、彼ら魔法種族と同等の権利。これは何を意味する?人間=イマニティたちに与えた問いかけだろうか。はたまた、唯一神に対する挑戦権なのか、そのための修行なのか。引き分けを広義的に解釈すれば仲良く、である。「引き分け」はこの作品における重要なキーワードなのかもしれない。


このアニメの面白いところは、やっぱり究極的な「ゲーム」を描いているところ。弱者が勝つためには何をすべきか?力がなければ知恵を使え・相手を油断させろ・偶然を摑み取れ・全体を見通して主導権を握れ……ゲームの真髄が各所に現れている。

そして……キャラが可愛い!!!自分の好きなキャラデザだし、声優の起用もぴったり。アニメはこうでなくっちゃね!!

テレビシリーズ含め、あらゆる面で優れた作品。続きが気になる。。。

投稿 : 2017/07/27
閲覧 : 204
サンキュー:

4

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