モリノ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
世間との評価の差に驚くばかり
時々、自分が面白いと思ったものが酷評されていたり、またその逆の感想を抱いたりしますが、私の場合、アニメではこれが顕著でした。こういう作品に出合うと、自分の感覚が信じられなくなってしまうものですが、面白いと感じたなら周囲に迎合せずにありのままを言葉にすればよいのです。
さて、この作品は自分の中でひときわ心に突き刺さる物語でした。
物語の最初で語られる、「もし自分の寿命が決められていたとしたら、どう生きようか」というのが、この物語のテーマと言っていいでしょう。似たものに、余命一か月の花嫁などが思い浮かびますが、避けられない愛する人との別離をどのように迎えるか、ということが物語のポイントだと思います。
8話の主人公の告白、10話のヒロインの決意、13話の別離のシーンは非常によくできていると思いました。特にラストはBGMがなく、声優さんの力を感じたパートでもあります。分かっていても厚いものがこみ上げてきます。
個人的にはいままでで一番泣けるアニメでした。(四月、クラナド、エンジェルビートは未視聴)
ちらりと他の過多のレビューを拝見すると、設定がSFがとうとうおっしゃられているようですね。なるほどそのように見たらそういう感慨も抱くかもしれませんが、残念ながら製作者が意図したのはそこではないと存じます。
いずれにせよ、自分にとって面白くない作品に出会うと人はあら探しはじめてしまうものです。自分は時間をかけてみたのに結局それはつまらなかった。自分のしたことは無駄ではなかったと思いたいがために、悪いのは自分ではなく作品だ、というようにして心の平穏を保とうとするのでしょう。逆もしかりです。
見たのが放送からだいぶたっており、余計な雑音が入らずに感動のフィナーレを迎えることができたので、個人的にはこの時期に見れてよかったなと、思いました。