Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
東映アニメーションのオリジナルCGアニメーションプロジェクト
この作品はキャラデザが好みだったこと、作画がきれいだったこと、M・A・Oさん、釘宮さんが出演されると知り視聴を決めました。
「正解するカド」というタイトルから、どんなジャンルの内容なのかが全く分からなかった事もこの作品への興味に拍車を掛けたと思います。
Amazonプライム・ビデオで前日譚となる第0話を見てから本編の視聴に入りました。
0話として本編から切り離されていますが、この作品の主人公である真道 幸路朗の仕事内容や「交渉とは何か」を分かりやすく教えて貰えるので、物語の中で重要な位置付けにあると思います。
もし、これからこの作品を視聴される方は是非0話からの視聴をお勧めします。
でもAmazonプライム・ビデオで見れるなんて…私はAmazonは買い物で利用するのが殆どで、あまりプライム・ビデオが活用できている気がしませんでしたが…年会費を払っていて良かったと初めて思ったかもしれません。
この物語は羽田空港の滑走路が突如一辺が2㎞もの巨大な立方体に占拠されるところから始まります。
しかも、離陸前の旅客機を1機飲み込んでしまった事から一気に現場は騒然となります。
この立方体は異方から来た存在で、ヤハクィザシュニナと名乗る人物が「カド」と呼ばれる立方体から姿を見せ、お互い攻撃の意志が無い事を確認し合った後、「交渉」という戦いの火蓋が切って落とされ物語が動いていきます。
交渉-「特定の問題に対して相手と話し合うこと」「話し合いによって相手との合意に達すること」が本来の意味で、この物語でも日本政府とヤハクィザシュニナが話し合いを行うのですが、正直最初は交渉という感じはあまりしませんでした。
次々と現れる「異方」の技術に驚きが隠せなかったと共に、これまでの地球規模での常識がことごとく崩れていくのをはっきりと感じました。
仮に、異方の存在からこの作品で見た技術が供与されたらどうなるでしょう…
エネルギーバランスの崩壊…
人の生態系の崩壊…
そう考えると不思議です。
異方の世界の物凄く進んだ技術を手に入れて便利になるというのに、何故私たちの周辺は次々と崩壊していくのでしょう…
無意識のうちに「現在の状態」を肯定しているから…?
ある一定以上の急激な変化に心と体がついていけないから…?
決してそんな事はないと思います。
例えば産業革命や大政奉還など、私たち人類は変革の時代を歩んできました。
それに現代でも例えばコンピューターの技術なんかは日進月歩の勢いで進んでいます。
そう考えると頭の中がクリアになると思います。
私たちは新しい技術を手にするのが怖いわけじゃなく、その技術によって生じる様々な意味での恩恵…つまり現状より不利益を被ることが怖いのです。
例えば日本における自動車が良い例だと思います。
自動車が発展する前、人は馬、人力車、籠などの手段で移動していました。
その頃は馬の生産、或いは車や籠を動かす人手を一生懸命集めていた訳です。
ところが車が発展すると、求められる職種、資源が異なってきます。
中には自然淘汰されるモノがあるのかもしれません。
しかし、その不利益が国策レベルにまで発展する事態になると、一気に問題が難しくなります。
だって、国益バランスが大きく変動するのは時間の問題になるでしょうから…
車だと燃料も然りです。
殆どの車が石油をベースとしていますが、仮に明日から全ての車の燃料にガソリンや軽油は不要になります、なんて事態が起こったら、石油会社や産油国にまでダメージが及びかねません。
そして思います…
自己中心的な発想から導き出される答えは、きっと保身くらいだと思います。
だって自分の事は誰だって可愛いですから…
でもこの状況を地球レベルで俯瞰したら…もしかすると答えは変わってくるのかもしれません。
各地で広がる環境汚染や温暖化…そして一部では警鐘を鳴らし汚染レベルの低減に向けた技術開発や共同事業を発足させようとする動きがあるものの、足並みは決して揃っていないのが現状…
もしこれが地球の発した悲鳴だとすると、異方の存在が来る前に地球上で私たちの生活できる場所が無くなってしまうんじゃないだろうか…
その時まで自分の寿命が続くとは思えませんが、せめて後進に負債は残したくないと思います。
つまり、何が言いたかったかというと…
「M・A・Oさん演じる徭 沙羅花が私の好みのど真ん中でした」
オープニングテーマは、徭沙羅花 starring M・A・Oさんの「旅詩」
エンディングテーマは、HARUCAさんの「永遠のこたえ」
どちらも幻想的な曲だと思いますが…もう少し発売日って早くならないものでしょうか。
エンディグは春アニメの終盤…オープニングに至っては夏アニメ放送開始以降って、完全に旬を逃していると思うんです。
アニソンの発売が遅い作品は決してこれだけではなく、最近の傾向としてそんな感じですけど…
せめて全体的にあとひと月早まると聞く機会が増えて嬉しいですけどね。
0話と総集編を含め、1クール14話の物語でした。
真面目に、丁寧に作りこまれているのが全体から感じられるようでとても好印象でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。