kku さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作品の中で重要な役割
劇場版はTV版が終わった何年後かの作品?のようですが全体のストーリーの中で重要な役割をしてると思います。
時間軸は20話の文化祭が終わった直後、21話の結婚報告の直前
通しでみるならそこに挟みこんで観る事をお勧めします
構成は緒花が「ある事に悩み、迷って、恋してた」母親の事を知る事から始まり、作品の補完的に各キャラの成長やコメディ要素、最終的には最終話にさらに説得力を与える魔法のような作品となっています。
精一杯大人になろうと生きてる母親を知り、自分は何故恋にたじろぎ、大人になる事を拒否していたのか?そしてさらにそこに見た事のない父親の姿を間接的に想像するところ、特に終盤のところで奈子に理想的な母親像を見つけ、逆に奈子の妹の気持ちも理解できたり・・・・と、子供のように泣きじゃくるシーンは作画も力の入ったシーンで、そういった複雑な思いが多重に爆発した感動的なシーンで物語の厚みを感じさせる名シーンです。
ここにきて確信するのはアニメ版とも被るのですが、仕事や恋や思春期の悩みを描きつつこの作品の地下に流れる本流は「家族」がテーマだという点。すなわち、旅館で働く経験を通じて、そこの人たちに色んな家族像を見出し、彼らを信頼し、頼り、甘える事により、主人公の目線が内向きな視点から外へ一気に向かってたのだと。
その象徴的な道具が最終話のぼんぼり祭りでしょう。
このストーリーがある事で最終話の決断の説得力や最終話への加速度が変わってくるのははずです。
最後に。この作品は決して説教臭くないですし、がんばってる人にはエールを、休んでる人には少しの励ましを与えてくれるような、常に「人に寄り添う」作品だと思うので、是非1度観る事をお勧めします。