Tyrot さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
プロット大好き
アニメに考察を持ち込むのが苦手でない人にとっては、かなり楽しめる作品なのではないか。
■作画
原作に寄せず、もっと挑戦してみてもよかったのではないかとも思う。
■些事
副題の必要性を感じない。原作未読層を惹きつけるために行ったアニメ製作側の弱さのようなものを感じた。
■視聴の視点と関連作品
種差別、人格の同一性、世代間正義などなど・・・。
今どきの倫理学、政治哲学でも議論の対象となる諸問題を、視聴者に向けてストレートに提示する。
これらの問題に対して、功利主義的な思索を巡らせるのは漫画やアニメでは人外が大半のようで。
岩明均さんはミギー他の寄生生物で行い、虚淵玄さんはまどまぎで「キュゥべえ」、サイコパス(初代)で「シビュラシステム」を通じて行っている。
Fate/Zeroでは主人公の切嗣が体現しようと模索しているのが特徴的であり、虚淵玄さんの挑戦のひとつだったのかもしれない。
とはいえ、がっぷり規範倫理学の考察を深めるようなことはなく、エンタメとして主人公の苦悩を描くための調味料として適宜語らせているにとどまる。
マトリクスのような経験機械に繋がれたい派の私としては、すばらしい新世界をユートピアとして肯定的に捉えるようなアニメ作品を観てみたい。
その点、意図してかせずかそのようなユートピアを部分的にSAOが描いているように感じられるところがなくもなく、能書きを垂れたい属性が強い層に不評な傾向を感じる(し、その理由も理解できる)作品だが、私はかなり好きな部類。