◇fumi◆ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スタジオファンタジア制作の最終兵器彼女のサイドストーリー
2005年発売のOVA 全2話
テレビ版最終兵器彼女は一応原作準拠なのに対してオリジナルストーリー
監督は同じ「加藤充子」制作はスタジオファンタジア
自衛隊側の視点で描かれるため、本作の主人公であるシュウジは登場しない。
ミズキ中佐と言う新キャラが主人公。
原作やアニメ版との整合性が薄く、補完にはなっていない。
加藤充子氏は長浜監督や冨野監督の下で演出の仕事をしていた人で、
ラブストーリーよりは戦記物に強いような気がする。
戦闘で大けがを負ったため最終兵器の試作品に志願したミズキ中佐の視点から、
この謎の戦争及び兵器に最も適したちせを見るという設定になっている。
謎が解けたのかと言うと、全然と言わざるを得ない。
自衛隊側が主役となったため設定崩壊が起こっている。
原作ではちせの最大の武器は意のままになる人工衛星だったが、
こちらでは自衛隊が人工衛星を使用している。
これで、神のような存在であったちせが単なる被検体になってしまい興がそがれた。
単なるサイボーグ戦闘アニメであれば普通の出来ではあるが、
最終兵器彼女としては謎を増やしただけでストレスが溜まってしまう。
GONZO版よりは作画は良く、ミステリアスなちせの戦闘も良く書けていて、
本編では物足りなかった戦闘シーンが堪能できることは嬉しい。
{netabare}時間軸は九州戦線からの撤退、本編の1話でちせの怪我、
札幌空襲、本編の一話。大阪決戦、本編の3話。駿河湾の戦い。5話くらい?
このあたりでミズキ中佐が死亡して、
ラストシーン(本編の10話)に飛ぶ。
テツ死亡により怒ったちせが仙台の大本営を消滅させるシーン。
東京から仙台にかけてのちせとテツの連戦は原作、アニメで描かれるので省かれる。
仙台から小樽へ帰ったちせはシュウジと共に逃走するのだが、
それは本編で。
と言うことで時系列は合っているが、本編の補完としては納得がいかない部分が多い。{/netabare}
ちせ物語にしてくれれば整合性が取れたかもしれないと思うが。
ただこれは、原作、GONZO版原理主義の考えで、
単体の作品としてはこれでよかったのだろうとは思う。
本編を楽しんだ人にとってはちせが戦闘するだけで楽しめると思うので、
細かいことに気にしなければ良い作品だとは思う。
原作、テレビ版、OVA版、微妙に違うが、大人の事情を考慮すれば納得の範疇。
だが〇〇版!お前は自重しろ、と言いたい。