「プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)」

総合得点
86.1
感想・評価
986
棚に入れた
3965
ランキング
211
★★★★☆ 4.0 (986)
物語
4.0
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

条件付き名作

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
内容的には、スチームバンクの世界観で美少女が活躍するスパイアクション、というイロモノ感が満載なもの。

しかし、様々なミスリードが光る、楽しく素晴らしい作品になっていました。構成の面でも工夫がみられますが、まあ、この辺はヘタに前情報を入れずに観た方が絶対的に面白いアニメですね!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
問題点を指摘してはいますが、☆4は、自分的にかなり高評価です。良い作品であることは間違いないんですが、だからこそ、惜しい部分があったな~と。

まずは、良い点から。

◎ミスリードの上手さ。大きなミスリードでいくと、プリンセスとアンジェが実は逆だったという点。小さなミスリードでいくと、10話で委員長が実はドロシーの方に憧れていたとか、どの話にもいくつもいくつもあって、これは完全に脚本の素晴らしさ。本作の最大の魅力だと思います。

◎(特に序盤の)細やかな作画。例えば、1話冒頭の望遠鏡を、レンズを重ねるタイプにするなど、言葉ではなく作画で作品の世界観や時代感を表すのは素晴らしい。他にも、美しい作画(特に背景)はいくつもあった。

◎構成の面白さ。時系列を入れ換えるのはこれまでもある構成だが、「堂々と話をとばす」というのは、今まででなかったと思う。OP後にcase○○と出てくるが、12話でcase24までやっているわけだから、単純に半分飛ばしている。これは、「空いているところは想像力で補って」ということだろう。その効果は、「いきなり仲良くなったり」「急に社会情勢が変わったり」しても、「文句をつけられない」ということ。「いや、だから行間を読んでよ。空いてるところにいろんな事があったんだよ」と開き直れるし、OVAや様々な媒体で補完(セールス)もしやすい。多分、話のスピード感に違和感を持たせたくなかったのと、1話目にインパクト出したかったから、時系列をバラバラにしたのだろう。まあ、冷静に考えれば反則なのだがw、1本取られた感じがして楽しめた。でも、こういう裏技は、二番煎じだとダメだから、他のアニメには真似しないでほしい(笑)

○キャラデザの良さ。まあこれは単に好みだと言うことだけど、どのキャラも可愛かった。個人的には、ドロシーが好き。性格的にも、めっちゃ良い子だな~と♪

次に悪い点。

△(特に後半は)作画の「雑(適当)」さ。綺麗とか下手とかじゃなく、意思の疎通や確認が出来てない感じ。例えば、(長いからたたみます){netabare}ちせの刀の使い方。恐らく左利きの設定で、左手だけで刀を扱うシーンが多々あり、これはまあ良いのだが、両手で持った時に左手が上だったり、鞘が右にあったりした。これは「日本の侍」ならあり得ない。利き手がどちらであれ、持ち手は右手上しかない(文化的な意味でも)。時代考証やってるのかな? まあ、ファンタジーだからこれも最悪良いとしても、一番の問題は、それらが「まちまち」であること。例えば、5話のちせの戦闘シーンなんか観ればよく分かるが、場面によって、鞘が右や左、後ろに付いていたりと安定しない。鞘がなくなっているシーンもある。あと、場面によって、両手を重ねたり右手上や左手上など、剣の持ち方も安定しない。他にも、最終話のトンネル内のシーンとか、後続する列車の砲撃が、平気で自分が走る線路に直撃していたり、壁走りのシーンも(作画自体は良かったが)、緩やかなカーブの内側を車が走っている。あれだと遠心力で剥がれるから、やるなら外側だと思う。{/netabare}こういう細かい部分の作画は、「画力」の問題ではなく、「スケジューリング」や「意志疎通」「確認体制」なんかの問題だと思うので、(全体的には素晴らしい作画も多かったので)作画マンは死ぬ気で頑張っていたのでしょうが、かなりドタバタした現場だったのかな、、、なんて、想像したり。

×投げっぱなしエンド。これが一番悩むところだけど、ラストは明らかに「2期見たければ、円盤かグッズを買えエンド」に思えた。別に、「おれたたエンド」は否定しないけど、6、7、9、10話などの、単発のストーリーや日常回を削ればどうとでも完結出来たので、明らかに狙ってやってる(いや、個人的には10話が一番好きですが)。「おれたた」にしたって、11話、12話のような大事件を起こさず、普通に女王への道を進めることは容易だったはず。あからさまに、視聴者の消化不良を狙ってる感じがして、しかもそれがある程度成功していて(実際、私も2期を超観たいし)、なんか腑に落ちない(悔しい)。

この辺がレビュタイの「条件付き」名作の意味。つまり、「2期をやるなら名作の1期目」「これで終わりなら駄作」になるということ。実際に、10話まではマジで面白いとアニメだったし、とりあえず期待を込めて☆は4にしておきますが、後でどうするかは、後で考えたいと思います(^-^;)

というか、11話、12話、それまでと(ストーリー的に)完全にレベルが落ちたと思った。それまであった美しいミスリードも影を潜め、ただの大アクション連発になっていたし。と、思って調べてみたら、11話から脚本変わっているんだね。1~10話は大河内 一楼さん(原作なしは、コードギアス反逆のルルーシュ・甲鉄城のカバネリ など)、11、12話は檜垣 亮さん(原作なしは、クロムクロ)。まあ、勿論実績は大分ちがうけど、本作のシリーズ構成は最後まで大河内さんだしな。なんで脚本変わったんだろ? 規定路線?

脚本家に良いように邪推すると、{netabare}大河内さんが「こんなラストにするなら脚本は書けない」と駄々をこねたとか(まあ、そうならシリーズ構成受けないか)? もしそうだとしたら、檜垣さんも被害者というか、{/netabare}「大人の事情」なのかなと思ってみたり。

まあ分からんけど、そのくらい、ラスト2話に関しては???だったということ。誰か、事情通の方、いないかな(笑)
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
ミスリードの上手さが光る作品だった。萌えキャラに騙されがちだが、ストーリーが抜群に面白い。作画も美しかった。

が、所々手抜きというか、意思の疎通が上手くいっていないような作画も見られて残念だった。

変則的な構成は、アイディア賞といったところ。

まあとにかく、2期をちゃんとやれば、「名作の1期」、2期をちゃんとやらなければ「ラストが残念な作品」。そういった意味で、「条件付きの名作」とした。
{/netabare}

【余談~ どうした? Studio 3Hz&アクタス(良い意味で)w ~】
{netabare}
まず、とても面白く、よく出来たアニオリ作品でした。

内容的には、「スチームバンクの世界観で美少女が活躍するスパイアクション」。設定とタイトルが、なんか凄い駄作感があり、リアタイではスルーしていた作品。制作会社も、、、でしたし(笑)

ところが、いざ放送が始まると、多くのレビュアーさんが高評価しており、実際、AT-Xの一挙放送を機に視聴してみると、なるほど面白い! 自分の選球眼の無さにガッカリしました(苦笑)

余談のタイトルはまあ、失礼ながらも素直に感じたことだったので(^-^;

ガルパン以外はこれといった作品もなく、万策尽きるのが定番化していた印象のアクタス。(個人的には好みなのですが)イマイチ大衆ウケしないオリジナルアニメが多い印象のサンヘルツ。だから、期待度は低かったのですが、この素晴らしい作品。驚きました。やはり、プロなんだな~と。

ちなみに、最近の両制作会社の作品への(私の評価はこんな感じです)

◎Studio 3Hz
・Dimension W「☆4。話は少しとびとびながらも、世界観もよくキャラも格好良い」

・フリップフラッパーズ「☆4。雰囲気アニメの決定版というか、作画も良いし、各話の世界観がメチャクチャで面白かった」

◎アクタス
・レガリア The Three Sacred Stars「☆2。手描きへのこだわりだけは評価したいが、キャラ、シナリオ、アクション、全てにおいて終始ビミョーで誉める部分を見つけられない」

・ろんぐらいだぁす!「☆3。作画こそヒドイが、全体の雰囲気は悪くなく、ロングライドという新しい世界を描いたことを含めて、なかなか楽しめた作品。導入系としては優秀だった」

、、、どうせなら、次もこのコンビでアニオリ作品を制作し、本作がマグレ当たりじゃないことを見せてほしいです!
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
レンズを重ねる望遠鏡、芸が細かい。冷却時間というリスク。ちゃんと書類を書くタイプのスパイ。1話目から分かるレベルの高さ。テンポが良くて無駄がない。

2話目
? 過去編? 最終話から始める構成かな? 王女、悪い女(笑) 有能な王族って好きだな~。二重三重のウソ。楽しい。

3話目
2。喉を機械化。できる範囲の特殊能力。忠誠心。ウソでの会話(笑)

4話目
ここで9話? 凄い構成だな。それぞれに出来ること出来ないことがあるのは良いよね。物理的に声をとめるなよw 白ってのが、特にいい。1話完結だから出来る構成だね。

5話目
んで、過去(7)に戻るか。ちせの加入。五右衛門ポジション(笑)

6話目
18話? すげぇな、飛ばしたところは想像で補えと(笑) ドロシーパパ、なんか切ない。典型的なDV。ドロシー、、、きっと普通に良い子なんだよな。

7話目
16か。歌とハチマキのクダリだけ、やや安っぽくなったかな。これ、ちゃんとプリンセスに儲けが出るようにした(マージンの話とかあった方)が、作風に合ってると思うけど。サブキャラつながりw

8話目
20。なるほど、核心だね。入れ替わりものの定番と言えば定番だけど。ピアノの話は、良い話だな~。なるほど、20話だな(笑)

9話目
11。ちせメインの日常系としてはかなり面白いとは思うけど、作風には合わないかも。本物の銃を使うんかい。間違った日本の解釈(笑)

10話目
22。ドロシー、良い子だな~。ここでもミスリードの連発。今まででも一番好きな話かも。アンジェが委員長の前で飛行を使わなかったのは、委員長の実力を認めていたからだよね。

11話目
23。アンジェのためってやつかな。さあ、どちらが本物かな? どこまで視聴者を裏切れるかな? 次話が魅せ処だね。

12話目
24。う~ん、そのままか。ドロシー、良い子w いやいや、線路を壊したら機関車がダメになるだろ(苦笑) 壁走り、やるならカーブの外周だろ? 内側なら遠心力で飛ばされるやん。断頭台で、、、そのつもりなら、アンジェは手助けしないだろ。ちせ、刀の持ち方が逆、、、。右手上だよ? 心の壁も、は良い表現かな。ん? ここで終わり? アニオリでこの展開でそりゃないぜ、、、。2期をやるなら、許します(笑)
{/netabare}

投稿 : 2018/01/18
閲覧 : 331
サンキュー:

43

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