Progress さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ショートストーリーを聞くような感じ
普通の人が洋食屋に食べに来て、凄く美味しい!といってもそうですかって思います。それだけでは全く面白くない。
異世界の人が食べに来て、その美味しさに驚き、その繰り返しではあるんですが、客のそれぞれのストーリーから、異世界の様子が伺えます。世界観が豊かになっていくのが楽しい作品ですね。(私としては、シェフの私生活や異世界食堂を取り巻く環境も気になっており、そのような細部が少し描かれることが楽しみでもあります。)
わずか10分ほどの時間で、異世界食堂に来る客のストーリー、客は一体どんな人物か、何故異世界食堂に来客したか、何を頼むか、食べるとどんな感想を言うのか(咀嚼時の演技はどうか)、異世界食堂から帰ったその後客はどうなったか等、そういう部分を見て楽しませてもらってます。
評価
【物語】
異世界食堂で客が得られているものは、感動なのか驚きなのか、それとも発見なのか、野心なのか・・・色々有ります。
私の中ではカツ丼の回が印象深い。剣闘士になってしまった客がカツ丼で得られた物は強い敵と戦うための「勇気」でしょうか?
異世界食堂で何か料理を食した客はそれぞれ何かを得て帰っていきます。その得られたものを原動力に異世界で何かしらの事をなしたアフターストーリーがとても心地良い。
また、たまに異世界食堂内で起こる出会いのようなイベントも面白い、異世界食堂を中心に始まっていくその後の広がりを想起させるその現場感が良い。
【作画】
止め絵が多かったり、料理の絵がそこまで美味しそうではないのはちょっと残念。ですが、崩れているというわけではないので平均点です。
【声優】
シェフの声が落ち着いていてダンディであるのは、いつも聞く声であるのでとてもgood。
お客側の演技に求めているのは、この作品は語りの部分が多いので、朗読劇のように視聴者に聞かせる力があったりとか、キャラクターに魅力が出るような演技であるかです。まあ、私としては違和感を感じなければ良いので、この作品でそのような聞きづらい人はあまりいなかったのでこれも高評価。
また、咀嚼音をどのように表現しているかも少し気になって視聴。あまりうるさい演技も嫌ですし、本当に食べているのか?と思わせるようなあまりにも静かなのもダメ。ここら辺はずっと気にしてました。
【音楽】
ED曲のようなしっとりした曲は好きですね。
【キャラ】
まず、異世界食堂店長について、毎回出てくるのであまりキャラ立ちしていても客のストーリーを阻害します。料理や店のシステムの説明以外ででしゃばらない点はとても良い。(でしゃばりではなくたまに粋なことをするのはみていて楽しいですよ)
異世界食堂のスタッフであるアレッタについて、この子もあまりでしゃばらずにしているので良い。ウェブ版の小説をチラ見しましたが、初回に出ていないこの子をアニメ初回で出したのは、異世界食堂が「変化」した位置から
始めたかったという戦略があったのではないでしょうか。
何もない変化が無い話から始めるよりは初回が大きなポイントになるんじゃないかと考えてます。