Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは「全ての記憶-メモリー-は、Iマシンとともにある── There are all memories with the 'I Machine'」
この作品は、オリジナルアニメ作品だったようですね。
アニメーション制作は、蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-やブブキ・ブランキを手掛けたサンジゲンさん、監督にハチクロ、コードギアスの谷口悟朗さん、シリーズ構成と脚本が、おねティー、おねツイ、あの夏…最近ではヒロアカ、まといを手掛けられた黒田洋介さんと物凄いスタッフ陣を見ると、この作品の面白さにも納得です。
物語の舞台は宇宙…惑星連盟アカデミーの学生・ミクリ・マヤは、自らの意識をトランスして作動させるIマシンと呼ばれる人型ロボットで小惑星を掘削調査していました。
ところがその調査中に突如事故が発生し、一人小惑星に取り残されてしまうのです。
ですがマヤは幸運の持ち主でした…その小惑星に「オリハルト」と呼ばれる鉱石を採取する民間掘削業者「エスカベイト社」が訪れて難を逃れる事ができたんですが…事の始まりはここからでした。
マヤを小惑星に置き去りにした一行が、マヤに不正行為の濡れ衣を着せていたのです。
そんなマヤに対し、エスカベイト社のみんなは薄情ではありませんでした。
マヤの宇宙地質学主席としての資質も後押しし、マヤもエスカベイト社の一員となって物語が動いていきます。
完走して振り返ってみると、物語の構成がとても秀逸な作品だった…という印象です。
物語の風呂敷は結構大きめ…の筈なのに、1クールの中で無理なくしっかり纏まっている上、決して多すぎず、少なすぎない登場人物と予期せぬ展開の連続…物語が始まった時、誰がこの作品の結末を予想できたでしょうか…
そしてサンジゲンさんのオリジナルといえばフル3CG…アルペジオでも十分綺麗でしたが、更に綺麗さに磨きが掛かっている…という感じです。
そして制作スタッフに全く引けを取らないのが声優陣…
主人公のイドにアルペジオの千早群像、ベルセルクのセルピコを演じられている興津和幸さん、ヒロインのマヤにゆるゆりの船見結衣、おくさまが生徒会長!の三隅倫を演じられている津田美波さん、他にも大原さやかさん、小山力也さん、金元寿子さん、小澤亜李さん、上田麗奈さんとそうそうたる顔ぶれが揃っているんです。
それに、物語の鍵となるIマシンの設定も良かったと思います。
人が機体に乗り込むロボットは山ほどあります。
それを何故人の意識をトランスして作動させる必要があったのか…
危険を伴う宇宙での掘削作業において、人間に対するリスクを排除する…という狙いはあると思いますが、決してそれだけじゃないのはこの作品を見れば明らかです。
でも率直にIマシンに乗り込むってどんな感覚なんだろう…と思います。
だって、身体から意識を切り離して活動するという経験が無いので…
この作品の一推しキャラは、やはりミクリ・マヤでしょうか。
普段の自己主張は決して強くありません。
けれど、彼女の優しさと持ち味である思い切りの良さが上手くバランスしていたと思います。
SF好き…或いは好きな声優さんがいるなら是非チェックして欲しい作品だと思いました。
オープニングテーマは、佐咲紗花さんの「ID-0」
エンディングテーマは、影山ヒロノブさんの「Stellar Compass」
ワクワクを予感させてくれるような曲調のオープニングがお気に入りでした。
1クール12話の物語でした。
サンジゲンさんのオリジナルには今後も期待したいと思うには十分すぎる位、総じてクオリティの高い作品だったと思います。
唯一気になったのが、レビューを書くためにwikiをチラ見した時、この作品のプロデュースに「世界コスプレサミット」と記載されていた事です。
イベントがプロデュースするの…?
はい、しっかり堪能させて頂きました。