STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
幸せな少女の物語
原作は未読。
演出のせいかところどころ判りづらい部分はあったが、ヴィレム・クメシュとの出会いから
死までの、クトリ・ノタ・セニオリスという少女の物語としてはうまくまとめられていた感じ。
ただ作品全体の世界観を描くのには1クールは短すぎたか。そういった部分は中途半端な感じ。
ファンタジーバトルものではあるが、バトルより日常に比重を置いており、ヴィレムとクトリが
次第に仲良くなっていく過程は観ていて気持ちいいものがあり、特にクトリの反応は
微笑ましいものがある。
ただ初回から最後に悲劇が待っているということが判っているだけに楽しげであればあるほど
悲しさも伴うし、ラストの悲劇へのカウントダウンのような怖さもある。
クトリに関しては自分の感情をストレートに伝えるのが苦手そうな印象があったが、思いの外
素直に気持ちをぶつけていくところが好感が持てた。まあ、先行きが短いということが判って
いたので悠長にしていられないということもあったのかもしれないけど。
ラストは壮絶な戦いでありながら、穏やかな「Scarborough Fair」のBGMという演出は、
死を前にしながら、自分が幸せだと言い切るクトリの心情をよく現しているようで、凄く良かった。
「Scarborough Fair」が初回のヴィレムとの出会いにも使われていたのも上手い使い方。
2020/03/13