STONE さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
このシリアス偏重路線をどう取るか
原作は未読。
ヒロインの魅力の見せ方は相変わらず上手いなあという印象。
ストーリーの方はゲーム制作がいよいよ本格化したためか、1期よりシリアス度は増した感じで、
ゲーム制作を通して描かれた、各キャラの心情の変化、あるいは関係性の変化などの人間ドラマの
部分が面白かった。
特に澤村・スペンサー・英梨々と霞ヶ丘 詩羽に関しては恋する少女としての側面と
クリエーターとしての側面のせめぎ合いが興味深いところ。
その最たるものが終盤における英梨々と詩羽のサークル離脱。これまでもシリアス要素は
あったが、ここまで深刻なものはなかったかな。
ただラストではもう関係性はあっさり修復したようで、ちょっと拍子抜け。私感としてはここまで
簡単に解決するなら、サークル離脱という部分はそのままでも、ここまで深刻な雰囲気にしなくても
良かったような気がするし、逆に離脱する二人の決断を重いものにするなら、もっとドロドロに
なるまで引っ張っても良かったような気がする。
恋愛ものという側面では英梨々、詩羽離脱に伴い、倫也と恵の仲が物理的にも精神的にも
より近づいていくようにしか見えない。まあ英梨々なんかは優れたイラストレーターになることで
倫也の好感度が上がることを計算しているのかもしれないけど。
他のキャラではメインヒロインの加藤 恵に関しては基本的なトーンは1期と同じくするが、自身の
感情がより表に出てきた感がある。この辺は「blessing software」、及びそのメンバーに対する
思い入れが強くなってきたのかなと。
そして、各ヒロインに対する主人公である安芸 倫也の行動や判断だが。。。
自身の情熱や感情に任せた行動である点は1期とそう変わらないようだが、1期はそれが回りを
好転させることが多かったのに対して、本作はことごとく裏目に出る印象が強く、ギャルゲーなどで
選択を間違い続けているみたい。
もう情熱だけの行動ではいけない時期に来ているのかもしれない。
キャラの成長物語という側面では面白い展開であったが、1期では多めだったラブコメ要素は
確実に減っており、そういった部分をメインに楽しんでいた人にはあまりよろしくない展開
だったかも。
あと前述の成長物語としても本作は種まきの段階で終わり、その結果が観られるのは本作以降と
いう展開。結局、本作では産みの苦しみだけ見せられた感はあり、カタルシスは望むべくもない。
2020/02/16