kku さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
観るものを洗濯する爽やかなドラマ
少年少女のまっすぐなまなざしに心うたれる作品です
初見超ファンタジー設定やキャラデザにクセがありますがそれを置きざりにするほどよく出来たストーリーです。
描かれているのは「人の想い」
一話から少年少女の淡い恋や海の人と陸の人の超えられない壁などを描かれますがこれが最終話まで続きます
途中、手に取るように分かるお互いの気持ちの前で二の足踏んでる様子は正直いつまでやってんだと突っ込みいれたくなりますが、そうこうしていると途中から怒涛の展開が待っています
これは作中のセリフでも印象的に出てきますし、正直驚嘆に値する展開だと思います。ついていけないトンデモ展開などではなく最後まで次の話がどうなるの?!と観るのを止められない構成です
シリーズ構成は岡田麿里さんですので間違いないですよね
とくにポイントポイントで担当した脚本の言葉のチョイスは秀逸でどの言葉もハートがやられました。
この作品には多くの「涙」が出てきます
相手を想い、想いを押しころして、相手を傷つけまいと、自分が傷つくのがいやで、相手の想いがわからなくて、自分の気持ちがわからなくて。。思春期らしく本当に切ないですが
どの涙シーンもとても美しく印象的でした
そしていつしかその揺らぐ想いが海の浪と被って、
色んな想いを内包する海とだぶって物語りはひとつの結論へ向かいます
背景美術はこの作品の特徴でしょう
緻密に描かれどのカットを見ても見ごたえがあります
全体的に青が多く使われさまざまな青で画面を印象付けます
海だから青だけではなくそこに生きる少年少女のまっすぐで熱い想いと
対比させた青なのかもしれません
青い作品イメージの中で走り回る子供たちや募った感情を吐露する子供たちが印象的です。細かく浜風当たる港町が舞台ですが細かく建物やモノがエイジング加工されてありハンパないこだわりを感じます。
それと、遠くに見える途中まで作って放置された橋脚の連柱が意味深いものを感じませます。海の人と陸の人とを隔てる橋が未完成なのかもしれませんし少年少女の心の架け橋が未完成なのかも?
(ここから少しだけネタバレ)
最終話はもう少し踏み込んでもよかったかな?と思います
12話ならこれでいいですが26話も引っ張ってこれだと今爽快感に欠ける気がします。貯めて貯めてあふれる想いを爆発させたシーンがほしかったです