タケ坊 さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
名作詐欺、こういうのが一番タチが悪い 観ないのが「正解」
長年日本のアニメ業界を支えてきた、
老舗中の老舗制作会社、あの東映アニメーションが深夜アニメを制作、
しかも大企業の木下グループがスポンサー、というだけで期待をしていた作品。
前日譚の0話を観る限り、陳腐な作品に溢れた昨今の深夜アニメで、
こりゃ円盤売上度外視して、素晴らしい作品になりそうだと思ったんですがね。。
結局今思えば0話が一番良かったという、何とも期待外れな作品でした。
☆物語&感想☆
話は未知なる異邦存在ヤハクイザシュニナと人類の邂逅を経て、
超テクノロジー&資源を与えられた人類が、今後進むべき道はどうあるべきか?
というような、深夜アニメで扱うにはとんでもない高尚なテーマで始まり、
正直かなり興味深い導入ではありましたが、同時にこれ最後までちゃんとやれるの?
という不安は大きく、1クールできっちりとしたオチを付けて物語を畳めれば、
間違いなく傑作になる...とは思いましたが、やっぱり嫌な予感は的中。。
まぁ観た人ならイチイチ言わなくてもみんな同じことを感じているでしょうが...
後半の超展開、と言ったら良いイメージですが、ガックリ展開に、
あぁダメだと...まぁそりゃそうですわな。
化けの皮が一度剥がれてしまうと、目をつぶっていたツッコミどころ、設定の粗さばかりが気になり、
そもそも人類より超高次元の存在が考えていることを、
アニメの脚本、しかも1クールで描けるのか、とも思ったり。。
結果もはやBL一歩手前になってるやん...苦笑
結局のところ、この作品観て誰しも、何を描きたかったの?と思ったんじゃないでしょうかね。
何が「正解」だよ、ってツッコミ入れたいですね。
こんな脚本でよくOK出したな~と思わざるを得ないです。
ヤハクイザシュニナが与えた超テクノロジー&資源を与えられた人類が、
どうなっていくのかという所に視点を当てて描けば良かったのに。
人類の未来への在り方を巡って、愚かな選択をした結果、
バッドエンド「不正解」なんかでも面白い作品になったと思うのに。
あんな取り繕ったような陳腐なバトル&BLみたいな展開、誰も望んでないでしょ。。
いや、ほんとアニメというより実写ドラマでありそうな、0話は良かったんですよ。
主人公真道の活躍も観ごたえあったし。
でも、やっぱり0話だけですね。
途中まで今後どうなるのかと期待して観ても、結局後になるとグダグダ...
これから観ようか迷ってる人は敢えて「観ないのが正解」だと思いますね。
☆声優☆
特に不満なし。
色んな作品に出てるけど、イマイチ特徴がないというか、
言われて気付くM・A・Oさん。
取り立ててそこまで上手いとも思えないけど、使い勝手のいい器用な声優さんなんでしょうかね。
正反対に一聴して解る博士役の釘宮さんは個人的に嬉しいキャスティングでした。
☆キャラ☆
ヤハクイザシュニナの思考が完全に人間、しかも次元が低い。。
おまけに真道への傾倒には笑ってしまうレベル。
まぁ人間が超高次元の存在が何を考えてるか、なんて所詮描けないでしょうが、
もう少し合理性とか考えて設定して欲しいところです。
☆作画☆
3DCGをメインにしながらも、割合的に作画も多くて違和感も少なかったです。
カドのような物体やアクションを描くには3DCGは向いてるし、
作画面への負担を減らすための策でしょうか。
まぁ逆に言えば、3DCGと作画をどういう基準で使い分けてるのか、
っていう基準とかはイマイチ見えなかったですけど、
3DCGと作画の割合の在り方については、ひとつの参考基準にはなりそうですね。
☆音楽☆
OPの感じからすると名作臭の漂う荘厳なもので、非常に期待感を煽るもの。。
EDも同様ですけど、やっぱりこういう曲も内容が伴ってないと評価しようがないです。
作中BGMは少々地味かな、という印象ですが悪くないと思いました。
東映アニメーション、木下グループ、荘厳なOPに大きな謳い文句、
人類の選択、「正解」「答え」とか期待させるだけさせといて、落差の大きさが半端ない。
やはり普段子供向けとかばっかり作ってるから、視聴者との間のギャップに制作してて気づかなかったのか、
単に脚本を担当した人がダメだったのか...とにかく残念の一言。