takoaki さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
新しい世界観
人の適性を完全に数値化できるようになった世界。自分に合わない職に就くことは無く、犯罪を起こしそうな人は潜在犯として未然に処分され社会の安全が保障される。まるでそれは桃源郷のような世界。
しかし、理想的な生涯が保障される世界において個人の生きる価値とは、自ら己の人生に責任を負わないといけない不透明な世界においてのそれと同じなのであろうか...?
この作品の感想としては、「どうやったらこんな発想が生まれるのだろうか」というのが一番大きい。理想を追い求める人々がその理想を完成させたら逆に生じてしまう問題を作品中の悪として描き展開されていくストーリー。前半はそのための世界観の伝達や下ごしらえの面が大きく少々退屈である(それでも勿論面白いのだが)。後半は前半の種をもとに話を大きく展開していく。その展開は両者の頭脳戦を通し白熱していく。同時に変わっていく登場人物の心境も見ていて面白い。
ただ、感動系や読後感として色々と考えさせられるような作品を好む自分には良作であれどそれ以上でもそれ以下でもなかった。冒頭でそれっぽいテーマを書いたが、この作品が本当に人間に関して洞察させることを目標としているかは定かでなく、仮にそうなのであるとすればそういった点での作品の質はあまり高くないように思えた(魅せ方はうまいのだが)。なので、あくまで単純にストーリーを楽しみたい、燃えたい、熱中したい、という人に向いてる作品なのかと思う。そういった点での評価は高いため物語を4.5とする。