Tnguc さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作画の品質が極めて高い萌えアニメ
~
『男子高校生でラノベ作家をしている俺だけれど、
じつは義理の妹が俺の作品のイラストを担当している絵師だった!?』
もしも、本作があの長ったらしい説明口調のラノベタイトルだった場合、多分こんな感じになっていたと思う。
原作はラノベで、ベースはハーレム物。
作者は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」でお馴染みの人だ。
中学生で作家デビューした主人公や、独占欲を駆り立てる引きこもり系の妹ヒロイン、
ハーレム要員の強引過ぎるキャラ配置に、当たり前のように居ない両親…。
まぁこれでもかって言うくらいに妄想を先行させた世界観で、創作を舐めているとしか思えないレベルだが、
よくもまぁここまでオタク少年の夢や妄想を具現化させたな…と、むしろ感心してしまった。
そして、それを余すところなく描き切った高水準の萌え描写が本作の見どころだと思う。
隙あらば少女たちの恥部をズームアップさせたりと、とにかく抜かりのないカメラワークがじつにエロい…。
兄と義理の妹による恋の駆け引きは、OPの歌詞にもあるように、
「掛け間違えてるボタンみたいなもどかしさ」的なシチュエーションが沢山あって、とてもニヤニヤできる。
そのほか、ハーレム要員たちとのイベントもちゃんと用意されていて、各キャラクターに対する愛情も感じ取れる。
これらの恋模様を全12話の中でキッチリと抑えていれば尚良かったと思うが、この辺りは2期に期待するしかない。
本作は、萌え描写を優先させた脚本のため、物語性は薄く、とくに設定はご都合すぎる印象を受ける。
クラスメートの学級委員長がヒロインに肩入れする理由がよく分からなかったり
(湊かなえの「告白」に登場するウェルテルのような行動原理がない)、
ムラマサ先輩の夢がアホみたいにショボかったり、主人公にセクハラの観念がなさすぎたり、
引きこもり体質を徹底するヒロインのトイレ事情とか、もうツッコミどころ満載なんだけど、
そこは萌えアニメとして割り切る覚悟が必要である。
(萌えアニメだからと言って脚本や設定をおろそかにしてもよいという風潮は嫌いだけど)
おそらく、この作者はこういう路線の作品しか作れない人だと思う。
そういう狭いコミュニティーの中で育った人間にしか描けないホンモノだってあると思うし、
逆に言えば、松本大洋や大友克洋にはこういう作品は作れないのかも知れない。
物語:★★☆☆☆ (兄と義理の妹によるすれ違い系のラブコメはニヤニヤできるけど、物語自体は陳腐)
作画:★★★★★ (作画は崩れることもなく、あざとい描写を最後まで堪能できます。本作の価値はコレ)
声優:★★★☆☆ (可愛らしいですが、魅力的という訳ではない)
音楽:★★★★☆ (ClariSによる安定感のあるOP)
人物:★★☆☆☆ (ヒロインは可愛いけど社会不適合者すぎてイラつく人はいると思う)
個人的評価:★★★☆☆ (3.0点)