ノリノリメガネ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ジブリ作品のオマージュ作品
{netabare}
かなりあからさまだし、エンドロールにも宮崎駿の名前があったので、おそらく確信犯的な、公認的な形でやったんだろうけど、まさにジブリ作品のオマージュといったような作品だった。
「ラピュタ」をベースに「魔女宅」や「もののけ姫」、「耳をすませば」あたりを掛け合わせたような展開や演出が目立った。
「飛行石」を「夜間飛行」に変えただけだし、「すべての魔法を解く呪文」は「バルス」そのものとも言える。あとはいろいろな作品から少しずつエッセンスを盛り込んでいるような感じ。
まぁ、オマージュしている作品群が元々素晴らしい作品たちなので、本作も大崩れすることなく、ひとりの少女の冒険ものとしてそこそこ楽しめたのだが、どうしても既視感は拭い去れず、オリジナリティは薄い作品と言える。
また、米林監督作品すべてに言えることなのだけど、キャラクターが地味でパンチが無いのは本作も同様だった。もっと観客に印象付けるようなキャラを用意しないとダメだと思う。正直主人公であるメアリ自体もまだキャラ付けが弱いと思った。
パズーやシータは時を超えても魅力が薄れないけれど、メアリがそこまで愛されるキャラになるとは思えない。ここが宮崎駿監督との大きな差だと思う。
今回オマージュしたことで内容はまぁまぁだったけれど、かえって宮崎駿監督とのギャップを観客に感じさせてしまう、まさに墓穴を掘ったような作品になっているのが痛々しかった。
むしろこのように対比されることを承知で、そこに敢えて挑戦していったとすれば、その勇気は評価に値するかもしれない。
今回のMVPはホウキくん。あとSEKAI NO OWARIのED曲は良かったと思う。
{/netabare}